球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

大リーグ名物審判のベルトレへの発言 “不適切”処分になぜ

[ 2017年8月13日 05:30 ]

 ジョー・ウエスト審判員(64)が先週、大リーグ機構(MLB)から出場停止3試合の処分を受けた。レンジャーズの3000本安打のエイドリアン・ベルトレ三塁手に対する発言が不適切というのだ。問題にされたのは6月20日付のUSAトゥデー紙が報じた記事内の発言。現役選手で判定に文句をつけるトップがベルトレで「ストライクコールのたびに“おい、おい”と言ってくる。そこで“おまえさんは偉大な打者かもしれないが審判員としてはクズだ”と言ってやった」というコメント。記事はウエスト審判員が史上3人目の5000試合出場達成を機に扱った思い出話特集。新聞発行後50日近くたって処分なのが奇妙だ。

 ベルトレは「不適切な処分。ジョーとはよく気楽な会話を交わす。その一つではないか」と言う。8月3日に処分通告を文書で受けた審判員労組(WUA)も「納得できない処分」と第三者委員に提訴の構え。

 ただし、ウエスト審判員はこの種のトラブルでは有名だ。大学フットボール出身の巨漢。ニックネームの“カウボーイ・ジョー”は、カントリーソングの作詞家兼歌手でもあるためだが、選手への退場宣告が“早撃ち”なので付けられたとも。83年には当時ブレーブス監督だったジョー・トーリ氏と論争になり、互いに猛烈な体当たりをやって罰金500ドルと出場停止3試合。90年は乱闘の仲裁に入り、選手を投げ飛ばし「今後絶対に選手の体に触れないこと」との厳重注意処分。14年にはジョナサン・パペルボン投手(当時フィリーズ)を退場させる際、ユニホームの胸ぐらをつかんで引き回し、1試合の出場停止…。今度も武勇伝がもう一つという感じだが、今のところMLBはメディアの質問に沈黙している。 (野次馬)

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