球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

高い代償…“暗黙の規則”破り仲間批判

[ 2017年7月2日 05:30 ]

 カブスのベテラン捕手ミゲル・モンテロ(33)が“暗黙の規則”「チームメートとチームへの批判を公の場でしてはならない」に違反し解雇された。失敗は、6月27日のナショナルズ戦で7盗塁された嘆きのコメント。「盗塁の責任は全て捕手に来る。投手も走者に気を使ってくれなければどうしようもない」。マウンドにいたのはエースのジェーク・アリエッタ。クイック投法が苦手で“盗塁フリー”として知られる。モンテロは失言に気が付き、アリエッタに謝罪したが、翌日、球団から解雇が通告された。

 セオ・エプスタイン球団社長は言った。「フィールドで起こった全ての失敗は、全ての選手でその責任を負うことを球団は期待している。失敗に関係ない選手であってもだ。それがチームというもの」。そして、「チームメートの失敗をメディアで指摘する行為は我が球団にそぐわず、登録メンバー変更(解雇だ)に至った」。ジョー・マドン監督も「アリエッタが謝罪を受け入れた、というのは関係ない。我がチームは若い選手が多い。チームとして勝ち、チームとして失敗する。そのことを若手に伝えていかねばならない」。

 モンテロは、昨年のワールドシリーズ勝利パレード中に「自分の役割が分からなくなっていた」と出場機会減少の不満を漏らし、球団社長と監督の不興を買っていた。キャンプの夕食会でわだかまりは消えたはずが、またもフロント、現場のトップを怒らせた。モンテロは5年契約最後の年で年俸は約15億円。今は、他球団からの獲得申し入れを待つ状態にあるが、希望球団は今季の残り年俸を払わなければならず、常識的に無理だ。解雇後に年俸大幅ダウンで契約する球団があるかどうか…。 (野次馬)

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