球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

呪いのヤギも!創意工夫にあふれるカブス世界一リング

[ 2017年4月16日 05:30 ]

 昨季108年ぶりにワールドシリーズを制したカブスが先週、優勝リングの贈呈式を行った。カブス3度目の王座だが、1907、8年の連覇当時は指輪制作の習慣はない。球団史は長く、エピソード豊か、それを初の指輪に盛り込みたいと球団は指輪制作のジャスティン社と工夫した。

 指輪には108個のダイヤを埋め込みワールド・チャンピオンズの文字を上下に配した。中央部分にブルーのサファイアで円形を作り、中心にルビーの赤でカブスの文字。側面は球場正面入り口と優勝トロフィーを刻む。もう一方の側面は指輪を贈る選手名と守備位置を彫り、その下に名物のレンガ造りの外野の壁とツタの葉を散らし、勝利試合後にスコアボードのポールに上げる「W=ウイン」旗を浮き彫りで。

 優勝リングは1922年のジャイアンツが最初で、習慣になったのは1930年代になってから。しかし、これほどチーム情報を入れた指輪は初めてだ。情報はさらに指輪内側にも。2016年11月3日午前0時47分と第7戦の激闘終了時間と、地区シリーズ対ジャイアンツ、リーグ優勝決定シリーズ対ドジャース、ワールドシリーズ対インディアンスの戦績も刻む。極め付きが、1945年のワールドシリーズにペットのヤギを連れて入場しようとして断られた酒場の親父の「カブスは金輪際ワールドシリーズに勝てない」といった“呪いのヤギ”の姿も加えた。

 フロント幹部、ユニホーム組用の最高級品は制作に1個数百万円かかったとか。ほかに球場関係者、職員、OBらへの記念品の総数は1908点、大変な物入りだ。ファンには選手用デザインでファンの名を入れ人工宝石使用の指輪を限定108個、1個約100万円で売る。完売間違いなしだが、記念品制作費のカバーができるのかどうか…? (野次馬)

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