復興へのプレーボール~陸前高田市・高田高校野球部の1年~

佐々木監督にほれて“転職”決意 頼もし「母さんトレーナー」

[ 2011年8月18日 06:00 ]

選手たちを陰で支えるトレーナーの千葉さん

 高田高校野球部にはもう一人、大事なコーチがいる。千葉礼子さん(63)は、選手の体をケアするトレーナー。主に温熱マッサージと言われる、金属の棒に漢方薬を入れ患部に当てる方法で試合後など疲れた選手の体をほぐしている。

 息子の智明さん(37)が佐々木監督の2度目の赴任先である水沢の野球部に所属していた縁で、トレーナーへの転向を決意した。「監督は当時から格好良かった。女の子はみんな監督が好きだったんじゃないかしら。わたしもまあ、ほれ込んだ一人ってことね」。冗談めかして笑うが、そのためにマッサージ師の資格も取得した。現在では20年来の付き合いだ。

 最近は孫の世話に追われ、練習に顔を出せる日も限られる。それでも、今月初旬の八戸遠征には自ら車を運転して同行。16日に水沢市内で行われた前沢との練習試合では、第1試合に登板した川原拓磨と菅野海(ひろ、ともに2年)を平泉市内の自宅で休ませるなど、親戚以上の温かさで心身ともに支えている。

 「体と心はつながってるから。触っただけで心の方もなんとなく分かる。なるべく普通に接してあげたい」。選手のことを話す顔は、孫の話をする時と一緒だった。

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