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酒の席でいきなりシャドーピッチング 野球の虫だったラブちゃん

 どうも~。あいもかわらず暑い日が続いておりますが、みなさまご機嫌いかがでしょうか? 下柳です。

 先日、ジュンク堂書店(博多)でのサイン会にお越し頂いたみなさま、本当にありがとうございました。お陰様で「ボディ・ブレイン」の売れ行きは、好調なようで。自分の歩んできた野球人生が、生きる上でのヒントになることがあれば、こんなにうれしいことはありません。そして、まだ手に取っていない方は、書店に急いでくださいね(笑)。

 さてさて、先週はラブちゃんこと伊良部秀輝のことを書かせてもらいましたな。今週も、その続きということで。たくさんある思い出の中から、特に印象深いシーンを紹介させてもらうことにしますわ。

 お互いパ・リーグの時代から対戦していたから面識は早くからあったよね。それこそラブちゃんが最優秀防御率のタイトルを獲得していた1995、6年ごろの話しやわ。あるとき、先発で投げ合うことになった。で、オレが147、8キロの真っすぐを投げ込むわけ。そしたら、アイツはフォークボールで147、8キロを出してくる。

 投げ合った翌日かな。グラウンドで顔を合わせたときに聞いてやった。

 「おい、伊良部。どうやったら、そんなに速い球を投げられるんや? オレにも教えろ」

 オレが冗談めかして言うたこともあったけど、アイツから返ってきた答えには思わず笑ったよ。

 「先輩、そんなの簡単です。“ブンッ”って音がするぐらい腕を振って投げたら良いんですよ」

 それで150キロの真っすぐが投げられるんやったら、誰も苦労せんわ! でも、そういう茶目っ気があるところも、オレは好きやったやな。

 その後はアイツはアメリカへ行って。ヤンキースから始まって、いろいろあって、また日本でやることになった。何というか、運命というべきか。2003年。アイツが帰国してきて選んだチームは、何と阪神やった。オレはオレで日本ハムから阪神へトレードに出されてね。初めて同じチームでプレーできることになった。

 オフのある日。オレは東京から新幹線に乗って大阪へ向かっとった。目的はマンション探し。新幹線で一息ついとったら、なんか人影を感じた。

 「先輩、お久しぶりです。今年から先輩と同じ阪神でプレーさせてもらうことになりました。どうか、よろしくお願いいたします!」

 改めて、礼儀正しいやつやと思ったね。たまたま同じ新幹線に乗り合わせている偶然にも驚かされたけど。

 2人とも宜野座の1軍キャンプスタートやったから、沖縄滞在中はほとんど行動をともにしとった。オレもずっとパ・リーグにおったから、接点があるというても片岡あっちゃんを始めとする日本ハム勢と伊良部ぐらい。ピッチャーでは、それこそ伊良部ぐらいしか知り合いがおらんかったよ。ほんまに。

 もちろん、よく酒も飲みに行ったけどね。オレも、アイツもよう飲んだけど、不思議なことにオレの前では暴れたことは1回もなかったよ。どんなに酔っぱらってもね。

 いろんなバカ話しもしたけど、やっぱり野球の話題が多かったからな。2人とも野球のことをしゃべり出したら、もう止まらない。

 新地のクラブで飲んでたときも、野球モードになったら周りに女の子がいようが関係ない。おもむろに席から立ち上がったかと思うと、いきなりシャドーピッチングや! そら、オレ以外の全員があっけにとられとったわな(笑)。

 それぐらい、アイツは投球フォームにはとことんこだわっとった。すでに現役引退しとった2008年か。六本木の鉄板焼きで飯を食っていたら、またまた突然、ラブちゃんが立ち上がった。ちょうど、壁が鏡張りになっているお店やったんやけど、それに気付いたんやろうな。鏡をチラチラ見ながら、あいつが「先輩、フォームを見てください」と言ってきた。

 そのときの表情も、本当に真剣でね。オレも自分が思うところを、しっかりと伝えた。

 「ヒールアップをやめてみたらどうや。それではどうしても、膝に負担がかかってしまうやろ」

 ラブちゃんは投球時、軸足である右足の踵を上げていたからね。試しに踵を上げずにシャドーピッチングをしてみたら、痛みがないという。オレは続けた。

 「それなら、150キロ投げられるやろ」

 実際、その1年後には、アメリカの独立リーグに復帰して150キロを投げとったからね。四国・九州アイランドリーグの高知でも投げた。そうやって振り返ってみると、本当に野球が好きで好きでたまらんかったんやろうな。

[ 2014年8月25日 05:30 ]

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