桜井克也の球界“人”筆書き

海を渡る「日本の技術」 新井宏昌氏、メジャーリーガー指導へ

昨年、パドレスの若手選手を指導した新井宏昌氏
Photo By 提供写真

 今オフも数多くのプレーヤーが海を渡り、戦いの場をメジャーへと求めました。プロ野球界もボーダーレス化が進む昨今、人だけではなく「日本の技術」も海を渡ることをご存じでしょうか?オリックス、ソフトバンク、広島で打撃コーチなどを歴任した新井宏昌氏(65)が2月中旬から約2週間の予定で米国へと渡り、サンディエゴ・パドレスの春季キャンプ地・ピオリアでメジャー選手の指導に当たります。

 実は米国での指導は2度目になります。昨年9月、パ軍のアドバイザーを務める野茂英雄氏の求めに応じて渡米。フォールリーグを控えた若手選手に指導を施しました。「プライドがあるだろうし、最初は日本から来たコーチの話なんて聞くのかなと思っていたけど…」と笑いながら、振り返ってくれました。

 「個人差はあるけど、感心したのは不審がらずにやってみてくれる子が多かったということ。何でも吸収してやろうというハングリーさを感じましたね」

 基本的には日本と同じ指導方針で臨みました。引っ張るのに適していない外角の球は、無理をせずに反対方向へと打ち返す。グラウンド90度をいっぱいに使い、確率を上げるための技術。約2週間の滞在時間はアッという間でした。

 もちろん選手には、事前に球団から新井宏昌という人物についての紹介はありました。いぶし銀のプレーヤーとして南海、近鉄の計18年間で通算2038安打。日本プロ野球での実績に加え、モノを言ったのがオリックス時代にイチローを指導し、大打者への成長を促したという事実です。余談ですが、新井氏はプロ入り後、キャンプ中の夜間練習などの全体メニュー以外ではグラウンド外でバットを振ったことがないそうです。イチローからも「ヒット1本を打つために要したスイング数は、僕より少ない」と称されたと聞きます。天才が認める天才の指導はメジャーの卵達にも刺激的だったことでしょう。

 名コーチもたくさんの刺激を受けて帰国しました。「施設もスケールが違うし、練習に向かう雰囲気づくりとか、勉強になることは多かったですね」。野茂氏がメジャー挑戦の道を切り開いたパイオニアなら、新井氏には技術伝導の「パイオニア」になってもらいたいと思います。“教え子達”の今後の成長に注目です。

[ 2018年2月9日 15:15 ]

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