関西大学野球リーグ

【関西六大学野球】大阪商業大学 “関西No.1捕手”太田 集大成の全国制覇へ

[ 2018年4月12日 16:02 ]

関西NO.1捕手である太田が大商大を悲願の日本一へ導く
Photo By スポニチ

 関西六大学野球連盟の春季リーグ戦は4月1日に大阪市の南港中央野球場で開幕。昨年のリーグ戦は春秋ともに大阪商業大が制し、34年ぶりの3季連続優勝を成し遂げた。投打で充実した戦力を維持する大商大が4季連続優勝へ突き進むのか、他大学の巻き返しはあるのか――。大学選手権出場をかけた熱い戦いから目が離せない。

 ◆リーグ戦展望◆ 4季連続優勝を狙う大商大が大本命だ。尾田&橋本のダブル左腕に大西、吉川の両右腕が控える投手陣は盤石。今秋ドラフト上位候補の捕手・太田主将のリードと統率力も光る。打線は1番の細川、4番の滝野を軸に上位から下位まで切れ目がない。3月の九州遠征は6戦全勝。勢いに乗れば、一気に頂点まで駆け抜ける可能性を秘める。対抗1番手は京都産業大だ。湯川、川辺、宮所ら投手陣は経験豊富で計算が立つ。成長著しい左腕の島西が加われば層は厚くなる。中軸に笹原、西元、西川と勝負強い打者が並ぶだけに杉野、川上の1、2番の出塁がカギを握る。大型遊撃手の木村も期待の一人だ。渡里、小郷ら好打者がそろう神戸学院大は投手陣の踏ん張り次第で上位進出が見えてくる。大阪経済大は4年生右腕・平田に続く投手の台頭が優勝への絶対条件となる。上宮出身の1年生の変則右腕・人見はリーグにはいないタイプで、初対戦のチームは戸惑うかもしれない。大阪学院大は2年生右腕の打田が柱。フル回転すれば、上位に食い込む力を秘める。昨年の春は最下位、秋は5位と低迷した龍谷大は杉森実新監督の手腕に注目が集まる。 

【大阪商業大学】

 4季連続優勝へ死角はない。大商大のグラウンドには常に張り詰めた空気が漂う。足並みそろったランニング、声出し。一糸乱れぬ動きは、部の規律が保たれている証明だ。富山陽一監督の怒声が練習に程よい緊張感を生み出す。初の大学日本一へムードは最高潮だ。

 「日本一になるチャンスはあと2回しかない。そのための準備をしっかりしたい」

 捕手の太田主将は最終学年にかける決意を示した。昨秋の明治神宮大会は初戦で富士大に敗戦。試合後のロッカールーム。6回2死満塁の絶好機で三振した当時の主将・日下部(NTT西日本)は指揮官から激しく叱責された。4年生は大学最後の試合になったが、感傷に浸る間もなかった。最上級生の姿を見てきたからこそ、太田に慢心はない。

 勝てる捕手だ。1年春から全試合に先発マスクをかぶり、6度のリーグ戦で実に5度もチームを優勝へ導いた。3学年上の広島・岡田を筆頭にどんなタイプの投手と組んでも結果を残してきた。二塁送球完了タイムは1秒78。西日本地区を統括する中日の米村明スカウトから「勝たせるすべを知っている、頭脳派。古田(元ヤクルト)クラス」と評された。

 関東の大学進学も考えたが、富山監督の情熱に心を打たれ入学を決意した。入部最初に受けた指揮官からのノック。打球がイレギュラーして歯を直撃したが、3年間食らいついてきた。「大商大に来てよかった。捕手なので、試合に勝たせることが最大の仕事」。集大成の一年。関西No.1捕手が初の大学日本一を置き土産にプロの世界へ飛び立つ。

 ▼大商大・富山陽一監督 目先の1勝にこだわる。その積み重ねが優勝ですから。過去に全国で準優勝が3度ありますが、まだ日本一は達成していない。今年は層が厚く、学生もそういう気持ちになってきた。

 ◇太田 光(おおた・ひかる) 1996年(平8)10月14日生まれ、岡山県倉敷市出身の21歳。連島東小2年から「西浦少年野球」で野球を始め内野手。5年から捕手に転向した。連島中では「倉敷ドリームボーイズ」に所属。広陵では2年夏からベンチ入りし同秋からレギュラー。3年夏に甲子園出場した。大商大では1年春から正捕手。50メートル走6秒2。遠投115メートル。1メートル78、77キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る