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早稲田大学【春季リーグ戦開幕前特集】 第8回 小島和哉<前編>

[ 2017年4月6日 05:31 ]

【春季リーグ戦開幕前特集】 第8回 小島和哉<前編>

快く取材に応じる姿勢は入学当初の2年前と何ら変わらない(C)早稲田スポーツ新聞会
Photo By 提供写真

 昨秋、並み居る好投手たちを抑え、見事最優秀防御率のタイトルを手にした小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)。名実共にワセダのエースとなった左腕はこの春もチームに勝利を呼び込めるか。さらなる高みを目指し取り組んだこの冬のトレーニング、そして春への意気込みを聞いた

 ※この取材は3月30日に行われたものです。

 ◎同じ大学生相手なら圧倒したい

 ――まずは昨年の投球を振り返って良かった点、悪かった点を教えてください
 良かった点は、全体を通してあまり自分の調子が良くなかった中で、フォームとか技術的な部分ではなく、気持ちの部分で攻めていけたということです。今までは結構『かたち』にこだわってやっていた部分があったので、ダイナミックな投球ができたのかなとは思います。悪かった点は、試合をうまくつくれなかったり、余計な四球や失点が多かった部分です。後でビデオを見返してみても、「この球要らなかったな」とか「なんでこの場面でこの球投げたんだろう」と思ったことが多かったので、冷静に相手を見て投げることができていなかったかなと思います。

 ――昨秋は最優秀防御率のタイトルを獲得されましたが、新たな目標はできましたか
 タイトルというよりは1試合投げ切ることが大事だと思っています。その中で、取られても1点、ヒットも5本以内に抑えるという目標を立てています。

 ――その目標はいつごろ立てましたか
 さらに上のステージで野球をやろうと考えていて、そのためには同じ大学生相手になら圧倒できるピッチングができないと通用しないと思っているので、そこを考えたときにトレーナーの方と話し合ったのがきっかけです。

 ――今1試合投げ切るという話が出ましたが、秋に対談した際も『完投能力』という部分を重要視されていました。そこは今も変わらずということですね
 そうですね。完投するにはできるだけ球数も多くならないよう気を付けなければならないし、カウントを悪くせずにどんどんストライクを入れられるようなピッチングが必要だと思っています。そういった部分のテンポなどはかなり意識してやっています。

 ――それは三振を狙うよりも打たせて取るということですか
 逆に三振を取るとしても三球三振を目指したり、打たせて取るとしても1球で打ち取れるならベストかなと思います。

 ――この冬はどんな目標、テーマを持ってトレーニングを行いましたか
 1、3戦目を投げ切れる体力をつけるためのランニングをメインにして、その目標に対して自分に今何が足りていないのかというと「試合の中で波がある」ということかなと。抑えた次の回にいきなり球が荒れ出してしまうこととかもあって、『安定性』や『再現性』というものが不足していると思っています。一球一球のフォームがバラバラだからハマったときはいいけどハマらなかったときは良くないというのがあるので、フォームを固定することを重要視しました。トレーニングのメニューもただ重いものを持ち上げるということではなくて、上半身と下半身を連動させながら、かたちがぶれない状態をキープすることを意識してやりました。

 ――フォームを固定したということですが、この冬で投球フォームをいじったりということはありましたか
 いや、特にはいじってないです。

 ――食事の面では何か変えた部分はありますか
 食べる量を1日7食に増やして、練習の合間にもカロリーの高いピーナッツ類を取るようになりました。大体20粒ぐらい食べるとおにぎり1個分になるらしいので、ランニング中にも食べたりしています。

 ――冬のトレーニング期間の1日のスケジュールはどのような感じでしたか
 9時に練習が始まって午前中はランニングメニュー中心、午後は体幹やピッチングを中心に行っていました。大体17時ぐらいまでやっていました。

 ――冬を越えて、成長を実感している部分を教えてください
 今のところ球が荒れることが少ないかなという気がします。あとは真っすぐで打者を押せているかなと感じています。真っすぐは昨年までは外角に投げてカウントを取ったり、決め球ぐらいにしか使っていなかったんですけど、今は初球からでも厳しいコースに投げられているのでそういう意味では成果が出ているのかなとは思います。

 ――逆にまだまだだなという部分はありますか
 感覚的な部分なんですが、自然とやっていてうまくいく回数が増えたという感じなので、どの練習がどの部分につながっているのかイマイチつかめていません。それが分かればもっとブレが少なくなるのかなと思います。

 ――では今はとにかく練習を重ねて、うまくいく回数を増やしていっているということですね
 そうですね。とりあえずトレーニングをやり込んで、調子が悪かったときでも球種を変えるなどして試合をつくるというのが完投するには大事かなと思っているので。

 ――実戦が増えてきていますが、冬にやっていた練習もまだ継続していますか
 はい。毎日やることは続けてやっています。

 ――続いて実戦の話に移ります。これまで春季オープン戦を行ってきて、ご自身の投球を振り返っていかがですか
 真っすぐでどんどん押せているのはいいかなと思っています。あとは追い込んでからの変化球が甘くなってしまうことが多いので、そこは改善していかなければいけないなと思っています

 ――オープン戦は他の投手と比べると登板機会が少ないですが
 そうですね。あまり投げてないですね。ユニバーシアードの選考合宿などもあって球数を減らすなどの考慮をしてもらっていました。

 ――その点での試合勘のズレなどはありますか
 結構ありますね。

 ――それは具体的にどういった部分ですか
 自分が投げた時の打者の反応を見られないという部分です。特に変化球を投げるときはそこを見ながら調整することが多いので。ブルペンでも打者を立たせてはいますが、もともと打つ気がないので(笑)。

 ――ユニバーシアードの選考合宿の件ですが、内容はいかがでしたか
 少し打たれてしまいました。

 ――では手応えもあまりないということですか
 そうですね。あまりないです。

 ――では少しプライベートな話題に移らせていただきます。冬は母校・浦和学院高には行かれましたか
 あいさつ程度ですが行きました。監督さんとは会えなかったですけど、いろいろ気に掛けてくださっていて、「高校の頃とフォーム違うんじゃないか?」とかそういう話も会ったときはします。

 ――今ちょうどセンバツが行われていますが、元センバツ優勝投手として懐かしいなどと思いますか
 毎年懐かしいなと思いながら見ていますね。

 ――オフの日はやはり寝ていることが多いですか
 そうですね。昼ぐらいまではまず目覚めないんで(笑)。

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