日めくりプロ野球1月
【1月17日】1997年(平9) 渡辺オーナー豪語!「ON以来の戦力だ!」日本一を厳命
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FA移籍した清原(右)は、開幕直後スランプにあえぎ、直立不動で長嶋監督(中央)アドバイスを聞く。「巨人の4番」として十分な活躍ができなかった移籍1年目だった
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毎年のことではあるが、巨人・渡辺恒雄オーナーの“優勝宣言”がこの年も出た。
阪神大震災からちょうど2年のこの日、東京都内のホテルで、新年恒例の巨人軍スタッフ会議が行われた。就任1カ月の渡辺新オーナーは会議冒頭のあいさつで新年の“指令第1号”を発令した。
「今年の巨人軍はON時代以来の充実した戦力を備えたのだから、もはやハラハラドキドキのドラマはいらない。安心して楽しめるドラマを演じ、最終的勝利、つまり日本シリーズでチャンピオンシップを獲得することを期待、いや確信している」。
94年、中日の落合博満内野手のFAでの獲得に始まった、巨人の“4番コレクション”は、この年西武からFAの清原和博内野手にとどまらず、トレードで近鉄から石井浩郎内野手をも入団させた。パ・リーグを代表する4番打者を2人加え、前年14勝のロッテのエリック・ヒルマン投手も獲得し補強費は総額33億円に達した。それを念頭に置いた渡辺オーナーの「ON以来の戦力」発言頭の中は日本一以外はあり得なかった。
さらにオーナーは続ける。「巨人軍は70人の選手、100余人のフロントによる小所帯であるから、そこに派閥や感情的対立があってはならない。私的感情や利害から、そのような対立をかもし出すものがれば、即刻処分する」。4番打者とエースを集めて何が悪い。外部だけでなく、内部にもチーム編成に異を唱える輩がいることを察知していたことに、オーナーは問答無用の構え。その語気の強さに会場は圧倒された。
復帰5年目の長嶋茂雄監督は「スピードとチャージ」を指針として掲げた。超重量打線と相反するのではと首をかしげる関係者もいたが、そんなことはミスターにとってお構いなし。ヘビーな打線にした目的について「ディフェンス重視からオフェンス重視。今年は(チーム打率)2割6分打線」と強調した。
96年、最大11・5ゲーム差をひっくり返しての“メークドラマ”でセ・リーグを制したものの、日本シリーズでオリックス相手に打線が振るわず敗れたことがよほど悔しく、その結論が清原、石井の獲得だった。
投手陣について長嶋監督は「斎藤(雅樹)で15勝、ヒルマンで15勝、桑田は2年間ブランクがあるから10勝」という星勘定。渡辺オーナーがかけたプレッシャーも何のそのという感じで「ようやく今年は手応えを感じている。巨人ファン、プロ野球ファンの期待を一身に担っており、現場とフロント一体で日本一を目指したい」と、笑顔を見せた。
しかし、97年の巨人は一度も優勝戦線に絡めず、借金9で5位阪神とわずか1ゲーム差の4位に沈んだ。開幕戦で広島を自由契約になり、ヤクルト・野村克也監督の“再生工場”で復活した、小早川毅彦一塁手に“ミスター開幕”こと斎藤雅樹投手が3打席連続本塁打を浴びてつまずくと波に乗れず、5月には最下位に転落。以後も首位ヤクルトには引き離され、37年ぶりのVを目指して快進撃を続けた横浜とヤクルトが首位攻防を演じている8月にはついに1位と18・5ゲーム差を付けられ、終戦となった。
長嶋監督が標榜した2割6分打線は、リーグ4位の2割5分1厘止まり。期待の清原は32本塁打95打点とまずまずの出来だったが、打率は2割4分9厘。152三振はリーグワースト。石井にいたっては25試合にしか出られず、本塁打は1本のみ。投手成績がヤクルトに次いで2位にもかかわらず、3割打者が2年目の清水隆行外野手の3割4厘だけでは、打線にならなかった。
投手陣もガルベス、槙原寛己は12勝ずつ、桑田も長嶋監督の星勘定どおり10勝したが、2人で計30勝のはずの斎藤、ヒルマンが、斎藤は開幕戦のショックを引きずり6勝止まり。ヒルマンにいたっては2試合で計6イニングしか登板しなかった。
石井は00年にロッテへ、清原も追われるようにオリックスへ移った。移籍で巨人入りをした選手の大半が、安住の地を得ずにいずれ去っていく現実は、今後も続くのだろうか。2年目の小笠原道大内野手、谷佳知外野手、ヤクルトから移籍のアレックス・ラミレス外野手や同じく横浜からのマーク・クルーン投手…。08年の巨人はここ数年同様、移籍組がチームの浮沈を握っている。
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