日めくりプロ野球08年9月
【9月25日】1989年(平1) 門田“痛すぎる”31号 ハイタッチで右肩脱臼
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右肩を押さえて表情をゆがめる門田博光。オリックスナインも何が起きたのか分からず、立ち尽くすばかりだった
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【ダイエー9−1オリックス】鮮やかな流し打ちで“不惑”の主砲、オリックス・門田博光左翼手が左翼線に31号ソロ本塁打を放った。4点を追う3回。西武、近鉄とともに優勝争い真っ只中にいるチームにとって負けられない1戦は、この一撃が反撃ののろしになるはずだった。
やや微笑みながら背番号78が生還。次打者がブーマー・ウェルズ一塁手が高々と腕を上げ、ハイタッチで門田は応じた。その直後である。門田が顔をゆがめて「アーッ」と声を上げた。
左手で右肩を押さえながらうずくまる姿に、オリックスベンチは一瞬何が起こったか分からず、キョトンとするばかり。トレーナーが駆けつけると、門田はやっとの思いで口を開いた。「右肩の関節が外れたようだ」。怪力ブーマーとのハイタッチは門田にとって“痛すぎる”本塁打となってしまった。
ベンチ裏で石川トレーナーがうめき声を上げる門田に応急処置を施し、外れた関節を元に戻した。「関節の周囲の筋肉が捻挫をしている状態に。全治5日程度」と石川トレーナー。登録抹消という最悪の事態は免れたが、1週間近い戦線離脱を余儀なくされた。残り17試合。激しい優勝争いを考えると、“ブルーサンダー打線”の中核を担う3割30本塁打の大砲を一門欠くショックは大きかった。
患部を氷水で冷やした後、包帯をグルグル巻きにして出てきた門田。南海入団直後の70年、走者で一塁に帰塁した際に脱臼して以来、たびたび再発していた“持病”で「何度もやっているから自分でどうすればいいか分かっている」としながらも、やはり落ち込んだ様子はありあり。門田の不慮の“事故”にオリックスベンチも意気消沈。4回以降はわずかダイエー・山内和宏、井上祐二両投手の前にわずか2安打に押さえられ完敗した。
全く悪気があってしたことではないが、結局門田を故障者にしてしまったブーマーはひどく落ち込んだ。しかし、一夜明けた26日の日本ハム24回戦(西宮)では“カドタの分も…”という気持ちで心に期するものがあった。
3回、ここまで打率1割5厘と全く打てなかった日本ハム・西崎幸広投手のストレートを弾き返すと打球は左中間へ。推定飛距離140メートルの特大33号3点塁打となって西宮球場の外野スタンド最深部まで達した。「きょうは何も言われなくても自然と燃えてきたよ」と静かな口調で語ったブーマー。結局このアーチが試合を決め、オリックスは優勝戦線に踏みとどまった。
試合に復帰するまで門田は8試合欠場。打率は最終的に3割5厘で打撃成績6位に入ったが、脱臼以後は2本塁打しか出ず、本調子とは言えなかった。オリックスは西武戦で奇跡の逆転劇を演じた近鉄にわずか1厘及ばず、勝ち星で近鉄の71勝を上回る72勝をマークしながら2位に終わった。門田の“脱臼事件”がなければ…とほぞを噛んでも、ブーマがその後ハイタッチを自粛しても後の祭り。ブレーブス(後にブルーウェーブ)は阪急から親会社がオリックスに代わった歴史的な1年目のシーズンに優勝できず、栄冠を勝ち取るまでさらに6年の歳月を費やさなければならなかった。
| 1989年4月20日 | オリックス−ダイエー25回戦 | 西宮 | 12勝12敗1分 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
計 |
|
| ダ イ エー | 0 |
0 |
4 |
0 |
0 |
5 |
0 |
0 |
0 |
9 |
| オリックス | 0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
| 投 手 | |
| ダ イ エー | ○山内和(8勝8敗1S)、S井上(6勝2敗18S)−内田 |
| オリックス | ●今井(5勝5敗2S)、伊藤敦、関口、森浩、伊藤隆、高木−中島、高島 |
| 本塁打 | 山本11号、バナザード31号=満塁(ダ)門田31号(オ) |
| 三塁打 | |
| 二塁打 | アップショー、岸川(ダ) |
| ダ イ エー 9安打3三振8四死球 1盗塁0失策7残塁 | |
| オリックス 7安打5三振3四死球 0盗塁2失策8残塁 | |
| 球審・永見 試合時間3時間33分 観衆1万人 | |
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