田尾安志さん「あれが僕の人生のなかでの頂点」 就任1年で解任も…今でも楽天ファンに感謝

[ 2023年3月24日 22:26 ]

田尾安志氏
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 元プロ野球選手で、野球解説者の田尾安志さん(69)が23日深夜放送のテレビ東京「サンドナイツがプロ野球選手だけの居酒屋はじめました」(木曜深夜1・00)にゲスト出演。2005年に初代監督へ就任するもわずか1年で解任された楽天への思いを語った。

 お笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきお(48)と富澤たけし(48)、同「ナイツ」の塙宣之(44)と土屋伸之(44)が“ホスト役”を務め、1月にスタートした同番組も今回が最終回。そのなかで2005年に誕生した新球団「楽天」の初代監督に就任するもわずか1年で解任されたことについて聞かれた。

 ユニホームを着るのは「選手でやめようと思っていた」とし、それまで「(今後は)ユニホームを着てほしくない」と話していた愛妻にオファーを伝え「断ろうね」と言ったところ「パパ、こんなチャンスはないよ。初代監督なんて一人しかいないんだよ」と背中を押してもらい、受諾したという田尾さん。だが、チームは開幕2試合目に26失点大敗を喫するなど苦戦が続き、2度の11連敗を含む38勝97敗1分け(勝率・281)という成績で最下位に終わり、就任からわずか1年で解任となった。

 チームの本拠である宮城県出身で、当時から現在まで熱烈な楽天ファンとして知られる伊達はこれを気に病んでいたが、当時着ていたという背番号88のついた球団仕様のトレーニングシャツを見せてもらうと「田尾さん、これ持ってくれているのが凄くうれしい」と感激。田尾さんから「良かったら…」とプレゼントの意向を聞かされると「スッゴイうれしいです」と受け取った。

 18年前の当時を回想し「弱かったけど、凄い楽しかったですね」と田尾さん。「僕はプロ野球…それまで、もしあの楽天を経験してなかったら“勝つ”しかプロ野球の目的ってないというふうにしか思えなかったかもしれないんですけど。でも、弱いチームでも応援してくださるファン。その人たちに何かをお見せしたいっていうね。そしたらまぁー驚きました、温かい応援に。驚きました。こんな温かいファンがいるんだなっていうね。びっくりしました。だから、僕の野球人生のなかで一番大事っていうか、有意義な一年はあの楽天でした。あれ以上の…僕の人生の頂点は最後のゲームで胴上げしてもらった時です。あれが僕の人生のなかでの頂点」と続けた。

 「わー、なんかちょっとうれしいなぁ…」と伊達。田尾さんは「選手が“胴上げさせてください”って来て。“いや、やめてくれ”と。“こんな負けた監督を胴上げなんかしたらカッコ悪いからやめてくれ”って言ったら“僕らの気持ちです”って言ってくれたんです。もうね、僕、自分のことであんまり泣けないんですけど、あの時ちょっと泣けましたね」とも明かすと、伊達は「わー、いいチームだ、いいチーム…」と感激しっぱなしとなった。

 そして、富澤が「だからね、仙台なんか嫌いになってんだろうなって…」と想像していたと口にすると、田尾さんは「いやいや」と笑顔でそれを否定。「うちの女房も(今も)大好きです」と続けた。「聞けて良かった…」とつぶやいたのは伊達。「クリムゾンレッドのものはなくなってると思った」とプレゼントしてもらったシャツを大事に18年間保管してあった田尾さんの思いに寄り添うと、田尾さんは「これはもう…思い出ですよ」と笑顔で「あんな温かい応援されたら、もうね。これはもう…。忘れられないですね」と解任に反対して署名活動までしてくれた楽天ファンへの変わらぬ思いを語っていた。

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