巨人・原監督が逆襲号令「88年の歴史の中でワーストに近い」昨季を受け止めいざ「奪回」へ

[ 2023年1月21日 05:30 ]

スタッフ会議を終え取材に応じる原監督

 巨人は20日、都内ホテルでスタッフ会議を行った。原辰徳監督(64)は昨年4位に沈んだシーズンを「大惨敗」と表現して巻き返しを宣言し、山口寿一オーナー(65)は「必達目標」と3年ぶりとなるリーグ優勝を厳命。チームの強化ポイントなどを話し合い、「得点圏打率3割」「バント成功率8割」など、数値的なノルマも設定された。

 1~3軍の首脳陣、スタッフらが集まった会議。過去を振り返らない性分の原監督にとっては極めて珍しく、22年シーズンの話を持ち出した。

 「昨年の反省から入りました。あんな年はあってはいけないんだ、と。私自身の反省も含めて。ジャイアンツが今年89年目。昨年は88(年)という歴史の中でもワーストに近い年だったというところから入りました」

 昨季は開幕ダッシュに成功しながら5~8月に4カ月連続の負け越しと失速。会議後、原監督自ら「大惨敗」と振り返ったように、17年以来5年ぶりのBクラスとなる4位に沈んだ。山口オーナーは「今年は優勝が必達目標だということは、十分に理解されていると思いました。監督の下一つになって勝ちきってほしい」と、20年以来のリーグ優勝を「必達」とした。

 22年のチーム打率・242、チーム防御率3・69はともにリーグワースト。巻き返しに向けては投打で改善が求められる。新任の大久保打撃チーフコーチは、(1)得点圏打率3割(昨季・244)、(2)バント成功率8割(同・710)、(3)ボール球スイング率2割以下、と目標を設定した。(1)は達成すれば07年以来16年ぶりで、(2)は13年以来10年ぶりだ。

 しっかりバントを決め、得点圏で効果的な一打を重ねるためには、ボール球に手を出さない、しぶとい打線となる必要がある。そこで(3)だ。昨年の規定打席に到達したセ・リーグの打者で、ボール球スイング率が最も低かったのが丸で21%。丸に次ぐのは吉川の30・1%(リーグ15位)と、2割以下へのハードルはかなり高い。

 チームスローガンには08年以来15年ぶりに「奪回」を掲げた今季。キャンプでは、近年はコロナ下で来日が遅れていた外国人選手も含め、全員が2月1日からスタートを切る。「厳しいキャンプになると思う。先輩たちが築き上げてきて、そして我々が引き継ぎ、そしてつなげていく」と原監督。「大惨敗」からの頂点に向け、厳しさを前面に出す。(川島 毅洋)

 ≪犠打成功率8割以上は13年が最後≫昨年の巨人の送りバント成功率は.710でリーグワースト。個人最多犠打は吉川の10で成功率は.909だった。シーズンの送りバント成功率8割以上は13年の.821が最後となっている。また、昨年の得点圏打率は.244でリーグ3位。3割以上は51年.300、53年.310、07年.319と3度マークしているが今季はどうなるか。

 ≪投手陣の失策減も急務≫ディフェンス面では、新任の阿波野投手チーフコーチが、投手陣に失策減を厳命した。昨季の投手失策はリーグワーストの17個。最少だった広島の3個を大きく上回っており「“こういう練習をしていこう”と1軍だけじゃなく、みんなで共有してやっていかなきゃいけない」と話した。若手投手には、「自分の個性というか特性、そういうところで思い切って勝負してほしい」と期待した。

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2023年1月21日のニュース