西武・今井 「あし体」意識“鴻江理論”試してビックリ フォーク「5秒で落ちた」

[ 2023年1月21日 05:30 ]

鴻江トレーナーから指導を受ける今井
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 35分間で37球。西武の今井は助言を受けながら、約1分ごとに1球、感覚を確かめながら投げ込んだ。習得を目指すフォークに「5年間落ちなかったのが5秒で落ちた」と驚きを隠せなかった。

 助言の主はスポーツトレーナーの鴻江寿治(こうのえ・ひさお)氏だ。右腕は福岡県久留米市内で同氏が運営する「鴻江スポーツアカデミー」が主催する合宿に参加。鴻江氏は「やっていたことは間違っていなかった。握り方を間違えていただけ。ただ、それだけ」と、いとも簡単に修正点を見極めた。

 これまで実戦レベルに及ばなかったフォークがうそのように落ちる。変えたのは縫い目の位置などではなく握り方。ボールを挟む幅を縮め「前は深く挟むものだと思っていたけど、それだと逆に落ちないことが分かった。新しい発見」と今井。ヒントは浅い握りと、押し出す感覚にあった。

 鴻江氏の理論によると、今井は体の右半身に比べて左半身が強い「あし体」タイプ。このタイプは体の開きを抑え、ボールを押し出す感覚が重要になる。結果的にリリースポイントがより前になって落差が生まれ、今井自身も「体の長所を生かしたいし、(合宿に)来る前とは全然違う感覚」と手応えを得た。

 理想は、150キロを超えることもあるオリックス・山本の高速フォークで、自身は140キロ以上を目指す。昨年の決め球はスライダーが29・4%、チェンジアップが14・4%を占めていたが「(フォークの)割合を増やしてイニング以上の三振を取りたい」と明確な目標を掲げる。

 高橋、松本との先発3本柱として期待される。「ロースコアのゲームで勝てる試合を増やしていければ」。新たな武器が完成すれば、自身初の2桁勝利がはっきり見える。(福井 亮太)

 ▽鴻江トレーナーの理論 投手を、腕から始動した方がいい「うで体(猫背)」と、下半身主導がいい「あし体(反り腰)」に分類。それぞれに合った投球フォームをデザインする。グラブの形や向き、変化球の握りなども、タイプによって変える。見分け方は、足を左方向に上げやすければ「うで体」、右方向なら「あし体」。鴻江氏主催の練習には過去に巨人・菅野、メッツ・千賀らが参加しており、ソフトボール女子日本代表の上野由岐子は、今年も参加している。

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