ソフトバンクが獲得した日本ハム・古川侑 三笠GMが期待「地元でもうひと花咲かせてほしい」

[ 2022年12月10日 05:00 ]

現役ドラフト

“苦労人”の日本ハム・古川がソフトバンクにやって来る
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 出場機会に恵まれない選手の移籍活性化を狙って導入された現役ドラフトが9日、非公開で初開催された。各球団は2人以上を対象選手として提出し、各球団がリストの中から最低でも1人を指名。今回は2巡目は実施されず、12球団12選手の移籍が決まった。ソフトバンクは日本ハムから古川侑利投手(27)を獲得。一方、阪神から指名された大竹耕太郎投手(27)は、新天地に旅立つことになった。

 球界初の現役ドラフト開催前から、球団の狙いは決まっていた。

 「リストが提出されて獲得したい選手を順位付けするが、古川くんをはじめ、投手を獲得したいと思っていた。想定通り、そこまで混乱はなかった」

 三笠GMらフロントは提出リストの中から投手を探し、日本ハムの古川侑を見つけた。楽天、巨人でプレー後に戦力外となり、昨年の合同トライアウト受検から育成選手になり、3月に再び支配下登録を勝ち取った苦労人だが27歳とまだ若い。

 三笠GMは「若いので伸びしろがあるところが魅力かな。あとは佐賀県出身、地元でもうひと花咲かせてほしい。人の成長曲線はそれぞれ。ホークスで描いてほしい」と期待した。秋のドラフト会議から冬の現役ドラフトまでソフトバンクの九州コレクションのトレンドは不変だった。ドラフト会議で指名した2~5位の4人は、出身校などルーツが九州にあった。加えて佐賀県出身の古川侑が現役ドラフトで入団となる。

 古川侑は新庄監督初年度となった今季、中継ぎとしてプロ実働9年目でキャリアハイの34試合に中継ぎ登板。右腕は4球団目となる球団に渡る。

 「トライアウトでビッグボスに声をかけてもらい、あきらめかけたプロの世界に戻るチャンスをいただきました。ファイターズファンのみなさま、短い間でしたけど応援、本当にありがとうございました。チームは地元九州のソフトバンクに移りますが、変わらぬご声援をいただければと思います」

 古川侑は律儀にコメントを残した。新天地でも勝ちパターンへとつなぐ中継ぎ右腕として期待されている。「実戦経験が豊富なのと、いい投手と認識している。中継ぎと思うが、投手層を厚くする活躍を」と三笠GM。今季は7回松本、8回藤井、9回モイネロまでつなぐ5、6回の守りが不安定だった。四死球が絡んでの中盤の“投壊”も目立った。プロ通算82試合で防御率4・99、球のキレと球威で押す苦労人に中盤を託す。

 どの球団も2巡目指名はなし。「古川と大竹ということで両選手とも、いいチャンスにしてもらいたい」。GMは手応えを感じていた。(井上 満夫)

 ◇古川 侑利(ふるかわ・ゆうり)1995年(平7)9月8日生まれ、佐賀県出身の27歳。有田工から13年ドラフト4位で楽天入り。19年に交換トレードで巨人移籍。21年で戦力外となり、合同トライアウト後に日本ハムに育成入団。今季3月に再支配下登録された。最速153キロの直球が武器。1メートル78、86キロ、右投げ右打ち。

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2022年12月10日のニュース