楽天「マスター」阿部 故郷に帰る「子供の頃から見ていた球団。実家も近く光栄」

[ 2022年11月23日 05:28 ]

入団会見をする阿部(撮影・篠原 岳夫)
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 マスター、故郷に帰る――。涌井との交換トレードで中日から楽天に加入した阿部が2900万円増の来季年俸6500万円で契約を結び楽天生命パークで入団会見。「子供の頃から見ていた球団。実家も近く、光栄に思っている。勝つためのピースになって貢献したい」と力を込めた。

 岩手県一関市出身。明大、Honda、中日でキャリアを重ね18歳まで過ごした東北に戻った。地元から名古屋は約560キロだが仙台は約80キロ。今季も自己最多133試合で打率・270、9本塁打、57打点を残した32歳は、新天地でもう一花を咲かせるつもりだ。

 立浪政権だった今季は生やしていなかったが、ひげがトレードマークで柔和な雰囲気も重なり古巣では「マスター」のニックネームで親しまれた。「新天地でどのように呼ばれたい?」と問われると、少し照れくさそうに「アベちゃんでもマスターでも…」と言った。中日ファンには定着している呼び名を、新天地でも定着させる。

 高校1年だった05年に楽天が誕生した。運命に導かれるように来年から楽天生命パークが本拠地となる。岩手に住む母に移籍を報告すると「近くなったね」と喜んでくれたという。地元の友人からも多くの連絡があったそうで「名古屋はなかなか見に来てもらうのが難しかったけど(球場に)足を運んでもらいたい」と呼びかけた。

 来年5月16日には盛岡市内に建設中の新球場「きたぎんボールパーク」で初の公式戦(VSソフトバンク)も開催される。同球場初アーチに期待がかかるが「初四球ぐらいで…」と謙虚に語る。言葉は控えめだが、熱いプレーで故郷に錦を飾る。(重光 晋太郎)

 ▽マスターの由来 親しみやすい優しげな面持ちと整えられたひげから「マスター」の愛称が定着。ファーム時代、無精ひげ姿を見た小笠原2軍監督(当時)から「(ひげを)生やすならちゃんと生やせ」と助言されたことから伸ばし始め、1軍に定着した19年春季キャンプ中、伊東ヘッドコーチ(当時)から「(風貌が)バーのマスターみたい」ということで命名された。

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