侍・村上 代表史上初の4戦連発!WBC1次R同組の豪州に豪打見せつけた

[ 2022年11月10日 05:05 ]

侍ジャパンシリーズ2022   日本代表8―1豪州代表 ( 2022年11月9日    札幌D )

<侍・豪>2回、岡本和の適時打で生還した村上(右)を迎える栗山監督 (撮影・光山 貴大)
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 侍ジャパンは9日、強化試合「侍ジャパンシリーズ2022」のオーストラリア戦に8―1で大勝を飾った。3試合続けて4番に座ったヤクルトの村上宗隆内野手(22)が、5回に右翼席へ2ラン。21年夏の東京五輪決勝・米国戦から4戦連発5本塁打目で、プロが参加した00年シドニー五輪以降の日本代表で4戦連発は初めて。来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンドで同じB組に入った相手との前哨戦を、力強く制した。

 長打が欲しいところで一発を打つ。しかも侍ジャパンの4番として。村上がまたも豪快なアーチ。表情を変えずにダイヤモンドを一周する姿には22歳にして日の丸を背負う主軸の風格が漂った。

 「球種を絞るというよりは、来た球を打つ意識。2死一塁ということで長打を狙っていた」

 2―1の5回2死一塁。フィリーズの若手有望株である23歳右腕・グロゴスキの内角に甘く入った129キロチェンジアップを逃さない。「(事前に)見た映像と打席の中の感覚を照らし合わせた」。完璧に捉えた打球は右翼席ではずんだ。牧や山田、岡本和ら脇を固める選手が、テスト目的でこの3試合で打順を変える中、不動の4番が仕事を果たした。

 5、6日の日本ハム、巨人との強化試合は2戦で3発。昨夏の東京五輪の決勝・米国戦での決勝弾から、侍ジャパンで4戦連発だ。プロが参加した00年シドニー五輪以降、日本代表戦での4試合連続本塁打は史上初の快挙。日本選手最多の56本塁打を放ったシーズン同様、「村神様」のバットが止まらない。

 欲しいところで一発を放つ姿は、「憧れの人」と尊敬する同じ背番号55の先輩と重なる。10月12日の阪神とのCSファイナルS初戦。テレビ中継のゲスト解説で訪れた巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏と、試合後に初対面した。世界を知るレジェンドと15分間、ハイレベルな打撃論を交わした後、2ショットを撮ってもらった。スマホのフォルダーに宝物を加えて、日本代表に合流した。

 試合前の円陣では、声出し役を務めた。まずはこの日が28歳の誕生日だった近本を祝福し「先制、中押し、ダメ押ししてしっかり勝ちましょう!」と盛り上げた。自身の一打が中押し弾となり、「もの凄い。本当に頼もしい」と栗山監督。来年3月のWBC1次ラウンドでは日本と同じB組のオーストラリアに、前哨戦で圧倒して嫌なイメージを植え付けた。「WBCに向けて最後の実戦なので、しっかり調整できるように。自分のやるべきことをやるだけ」。浮かれるところはなく、09年以来14年ぶりの世界一奪還への険しい道のりを見据えた。(青森 正宣)

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