正力賞は大激戦の選考 王氏、山本氏は村上推し オリ・中嶋監督推薦の選考委員と意見割れる

[ 2022年11月8日 17:00 ]

正力賞を受賞したオリックス・中嶋聡監督(左)と、特別賞のヤクルト・村上宗隆
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 今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督や選手に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が8日、都内で行われ、オリックスを26年ぶり5度目の日本一に導いた中嶋聡監督(53)を選出した。また、22歳シーズンという史上最年少で3冠王となったヤクルトの村上宗隆内野手(22)には特別賞(300万円)が贈られた。

 どちらが選ばれても初受賞となった選考委員会は、大きく意見が割れた。座長の山本浩二選考委員は「それぞれがかなり意見を出し合った。私は野手出身ということで村上選手を(正力賞に)推した。3冠王は狙って獲れない。それを22歳で成し遂げた。この偉業は正力賞に値する。みなさん悩んだと思う」と言及。村上を推す意見を出した。

 また、委任状での出席となった王貞治選考委員は「村上選手はホームラン56本に3冠王と、圧倒的なインパクトがあった。今年は村上選手が正力賞にふさわしいと思う」とコメント。一方で、杉下茂選考委員は「私はオリックスの中嶋監督を推したい。村上の3冠王も凄かったが、中嶋監督の力で日本一を勝ち取ったと思う」と、中嶋監督派だったことを明かした。

 中嶋監督は、日本シリーズで昨年敗れたヤクルトを相手に4勝2敗1分けで球団26年ぶりの日本一に導いた。また、村上は打率.318、56本塁打、134打点で史上最年少での3冠王となり、最高出塁率.458も含め4冠を獲得するなど甲乙つけがたい成績だった。

 同一年にダブル受賞となれば、2012年の巨人・原辰徳監督と阿部慎之助捕手以来、10年ぶり4度目だったが、今回は村上は特別賞となった。

 ▼正力松太郎賞 日本のプロ野球の発展に大きな功績を残した故正力松太郎氏を記念し、1977年に制定された。プロ野球界に貢献した監督、コーチ、選手、審判員を対象に選考委員会が選出する。賞金500万円。受賞者は日本一に輝いた監督が多い。第1回の受賞者は77年に世界記録の756号本塁打を放った王貞治(巨人)。最多受賞は選手で1度、監督で4度受賞した工藤公康。

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2022年11月8日のニュース