中日1軍キャンプで奮闘する19歳捕手―味谷大誠「毎日、収穫ばかりです」

[ 2022年11月7日 08:00 ]

中日・立浪監督が見守る前で1軍投手の球を受ける味谷
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 沖縄・北谷で2日から行われている中日の秋季キャンプで連日、ブルペンに元気な声が響いている。

 「コースいいっす!」
 「ボール強いっす!」
 「ナイスボールっす!」

 声の主は花咲徳栄から21年ドラフト4位で入団した味谷(みや)大誠捕手だ。参加選手中、最年少の19歳が1軍キャンプで奮闘している。
 「毎日、収穫ばかりです。なかなか捕らせてもらえない1軍の投手の球を捕らせてもらって、すごくいい経験をさせてもらってます。みんなコントロールがすごい。変化球でも簡単にストライクを取るし、ストレートは構えたところにしかこない。本当にすごいっす」

 持っている男かもしれない。ルーキーイヤーの今季はウエスタン・リーグで52試合に出場して62打数4安打、打率・065、1打点。守備でもチーム最多の捕逸3とプロの壁にぶち当たった。それでも、同期のドラフト1位・ブライトのコンディション不良でフレッシュ球宴に代替出場。今回も石橋のケガなどがあり、野手10人という少数精鋭の1軍キャンプメンバーに抜擢された。

 ブルペンで受けるのは全員先輩だ。21年2冠の柳や、10勝投手・小笠原、ベテランの福谷、1軍のセットアッパー・清水らに揉まれながら必死にミットと声を出している。

 ウオーミングアップも野手ではただ一人、投手と同じ組で行う。帰りも先輩に誘われ宿舎まで1時間ほどかけて歩く。4日には投手陣の練習に「Miya」というメニューが加えられた。毎日、小田2軍バッテリーコーチと行っている捕手の動きを採り入れた下半身強化メニューのことで、先頭に立って投手陣にお手本を見せるシーンもあった。

 一見、おとなしく見えるが、大阪出身の関西人。先輩にいじられ、励まされ、捕手として大事なコミュニケーション能力も日に日に上がっている。体力、技術、経験、ボケとツッコミ力…おそらく今キャンプでもっともスキルアップしている選手だろう。

 「投げやすい」と投手陣の評判も上々だ。6日にブルペンでコンビを組んだ福谷も「すごくキャッチングも良いし、人付き合いも慣れてきて彼らしさが出てきている。本当に楽しみ」と成長を認めた。

 今オフには桂、山下、A・マルティネスと捕手登録が3人退団した。現在、捕手は今秋ドラフトで指名した4位・山浅(聖光学院)を入れて6人。チャンスは目の前に広がっている。

 「このキャンプで、打撃も守備も“来年これでいこう”という太い軸を一本立てたい。自分からどんどんいきます。まずは守備。味谷に守らせれば大丈夫だという捕手になりたい」

 まずは2軍でレギュラー獲り、そして1軍へ。来年は全国に約320人しかいないという味谷の名を全国に知らしめたい。
(中澤 智晴)

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2022年11月7日のニュース