広島絶体絶命…「僕の責任です」佐々岡監督の継投策裏目 逆転CSは残り2戦2勝が絶対条件

[ 2022年9月30日 04:45 ]

セ・リーグ   広島4―5ヤクルト ( 2022年9月29日    マツダ )

<広・巨>7回、オスナ(手前右)に逆転3ランを許し、静まりかえる佐々岡監督(右から4人目)ら広島ベンチ(撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

 広島は29日のヤクルト戦で最大4点リードを守り切れず、クライマックスシリーズ(CS)進出へ痛恨の逆転負けを喫した。4―2の7回に4番手のニック・ターリー投手(33)が決勝の逆転3ランを被弾。CS進出には残り2戦2勝が絶対条件で、30日の試合で敗れるか引き分けでも、4年連続Bクラスが確定する絶体絶命の窮地に追い込まれた。

 じわじわと追い詰められ、最後は一発でひっくり返された。

 2点リードの7回1死一、二塁で登板したターリーは、2死として代打・オスナを迎えた。2ストライクからの4球目。低めのボールゾーンを狙ったチェンジアップが真ん中に入ると、打球はあっという間に左翼席に消えた。CSが遠ざかる痛恨の逆転3ランを見届けた佐々岡監督は「小刻みに(継投する)と考えていたが、そこで投げさせた僕の責任です」と唇をかんだ。

 ヤクルトは4点劣勢の5回から投入された救援陣が踏ん張り、打線の反攻を誘発した。一方の自軍には、森下の降板後に流れを止められる投手がいなかった。6回2死一、二塁で登板した森浦はキブレハンに左前適時打を浴び、4―2の7回を任されたケムナは1死一塁から四球を与えてターリーにマウンドを譲った。救援防御率は3・29でリーグ5位。チームの弱点が勝負の一戦の勝敗を分けた。

 直前の拙攻から流れは変わっていた。6回に先頭からの連続四球で無死一、二塁の好機を得た。しかし、会沢が敢行したバントは、勢いよく前進してきた一塁正面に転がる併殺となった。そのまま無得点に終わると、直後にオスナに逆転弾を見舞われた。「苦しい展開の中で重圧がかかっていたと思う。選手は一生懸命やっている。頑張ってくれた結果」。指揮官の敗戦の弁にも、力はなかった。

 すでに優勝を決めているヤクルトは、主軸の山田、中村、オスナらを先発から外しており、CS進出へ追い風が吹いていた…はずだった。絶対に落とすわけにはいかない2連戦の初戦だった。だが、気合が空回ったのか。この日の敗戦により、残り2戦2勝以外はBクラスが確定する絶体絶命の状況に陥った。「とにかく最後の2試合、われわれは勝つだけ。そこに向かって、やるだけです」。奇跡につながる扉は、一気に重くなった。(河合 洋介)

続きを表示

2022年9月30日のニュース