阪神・佐藤輝 尊敬する糸井先輩から「超人魂」継承 逆転CS進出へ3位Gと1・5差「チャンスはある」

[ 2022年9月23日 05:15 ]

打撃練習へ向かう佐藤輝(撮影・平嶋 理子)
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 阪神・佐藤輝明内野手(23)は22日、甲子園球場での指名練習に参加。今季限りで現役を引退する糸井から「超人魂」を受け継ぐ覚悟を示した。チームはクライマックスシリーズ(CS)進出へ窮地に立たされているが、まだ諦めない。23日は1差で追う4位・広島との最後の直接対決。尊敬する先輩の思いも背負って、残り4試合を戦い抜く。

 「超人魂」は確かに、この手で受け継いだ。3位・巨人とは1・5ゲーム差の5位。残り4試合である状況を考えるとCSへの道のりは険しいが、佐藤輝はもちろん、諦めてはいない。

 「(CS進出の)チャンスはある。好機でヒットを打つことが得点や勝ちにつながると思うので、目の前の試合に勝っていけるよう、頑張ります」

 尊敬する糸井からの言葉は、気持ちを奮い立たせてくれるものだったに違いない。21日の引退セレモニー。そのスピーチの中で「今年もまだチャンスはある。信じています」とハッパをかけてもらった。その後の引退会見でも「(超人を受け継いでほしいのは)佐藤輝に決まっているじゃないですか」と熱い思いを託された。公私でかわいがってもらった分、結果で恩返しするしかない。佐藤輝はどこまでも前向きに、言葉をつなぐ。

 「(引退セレモニーで花束を渡した時に)“頑張れよ”って言ってもらったので、その言葉通り、頑張りたいと思います」

 その思いを何より体現できるのが、豪快なアーチだろう。9月17日の巨人戦で90打席ぶりとなる19号ソロ。球団では69、70年の田淵幸一以来、52年ぶりとなる新人から2年連続20本塁打に王手をかけた。その後の3試合は不発。23日広島戦の舞台となるマツダスタジアムでは今季リーグの主要球場で唯一、本塁打がない。だからこそ「ホームランが一番得点になると思うが、どんな形でも打点を挙げられるように頑張ります」と力を込めた。

 状態は悪くない。11日の中日戦から8試合連続安打をマーク。ここに、勝負強さを加えることが、「令和の超人」への第一歩となる。井上ヘッドコーチは言う。

 「ある意味ウチの看板選手。みんなが一生懸命つくったチャンスで回ってくる。そこで何とかするのが(佐藤輝)。自覚がもう少し芽生えてくれないと」

 思えば、昨季のマツダ最終戦は、右越え24号3ランでチームを勝利に導いた。快音、再び。閉ざされつつある奇跡の扉をこじ開けるべく、敵地へと乗り込む。(長谷川 凡記)

 ○…阪神のCS進出完全消滅は最短で25日。条件は阪神が23日の広島戦に敗れた場合、巨人が23~25日の中日3連戦で2勝1分け以上。阪神が23日引き分けでも、巨人の3連勝で消滅する。

 ○…最終勝率で阪神と巨人が並んだ場合は、規定により直接対決で勝ち越している阪神が上位になる。同様に阪神と広島が並んだ場合は広島、巨人と広島の場合は巨人が上位になる。3チームが同率の場合は当該3チームの合算対戦勝率の比較となり、広島が突破する。

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2022年9月23日のニュース