ヤクルト・村上、王超え56発ペースだ3打席連発!全4打点で2位・阪神に価値ある逆転勝ち

[ 2022年8月1日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト4―2阪神 ( 2022年7月31日    甲子園 )

<神・ヤ>11回、村上は3打席連続となる勝ち越し2ランホームランを放ち、高々と拳を突き上げる(撮影・椎名 航)
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 ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が31日、阪神戦で3打席連発で自身初の1試合3本塁打を放ち、延長戦勝利と連敗ストップに貢献した。7回の35号ソロに続き、9回に同点36号ソロ。延長11回には左翼ポール際に勝ち越しの37号2ランを放った。チームは94試合目で、これでシーズン56発ペース。64年に王貞治(巨人)がマークした日本選手最多の55本塁打も射程に捉えた。

 浜風に乗った打球が左翼席に消えた。村上が延長戦に終止符を打つ決勝2ラン。しかも3打席連発だ。打たれた石井も笑うしかない。ヒーローインタビュー。甲子園の阪神ファンも拍手を惜しまなかった。

 「なんかあんまり実感が湧かない。今日の試合を取れたことがよかった。甘く来た球をしっかりスイングする意識がありました」

 同点の延長11回2死一塁。石井の浮いてきた116キロのカーブを逃さなかった。笑顔でガッツポーズしながらダイヤモンドを一周した。

 反撃ののろしは村上だ。0―2の7回先頭、村上封じで登板した左横手投げの渡辺の外角スライダーを、左翼席中段へ2戦連発の35号ソロ。起死回生も村上だった。1―2の9回1死。守護神・岩崎の初球、内角高め141キロ直球を狙い澄ました。浜風に負けず、今季ここまで被本塁打なしの左腕から右翼席へ同点36号ソロ。3連敗まであと2アウトの土壇場で、試合を振り出しに戻した。

 3打席連発どころか、1試合3発も自身初。それも左打者には難所の甲子園で、右に左に打ち分けた。37号は両リーグトップで、シーズン56発ペース。日本選手最多、64年の王貞治の55本塁打を超える量産態勢に入った。

 後半戦開幕カードとなった2位・阪神との3連戦。初戦前のミーティングで高津監督が「細かいプレーは要求するかもしれない。でも小さいプレーはしないで」と訓示した。村上は「常に言われていること。気を引き締めてまたやってやろうと」と改めて士気を上げた。2連敗で迎えた試合前は円陣で声出しを担当し「できることをしっかりやりましょう!」と鼓舞。全4打点を叩き出し、今季2度目の同一カード3連敗を阻止した。

 チームがコロナ禍に見舞われた7月。最終戦で1試合3発、2戦4発の主砲に高津監督は「今のムネなら不思議じゃない」とした。若き主砲は「責任を背負っている」と4番の自覚をにじませる。打点も95とし、こちらは歴代6位タイの144打点ペースだ。「まだまだ厳しい戦いが続くと思うが、しっかり勝って頑張りたい」。2日、中日戦(神宮)の第1打席。プロ野球タイ記録の4打席連続本塁打の楽しみが生まれた。(青森 正宣)

 《延長回含むのはセ初》村上(ヤ)が自身初の1試合3本塁打。延長11回の第5打席まで3打席連続でマークした。1試合3打席連続本塁打は今季5月27日楽天戦の塩見(ヤ)以来。延長回を含んだ3打席連発は71年5月3日東映戦の江藤慎一(ロ)、90年5月11日オリックス戦のブライアント(近鉄)以来32年ぶりプロ野球3人目で、セでは村上が初。また、甲子園での1試合3発は6月3日日本ハム戦の大山(神)以来で、3打席連発は10年6月29日中日戦のブラゼル(神)以来8人目になるが、阪神選手以外では61年4月23日の中利夫(中)、84年7月31日の中畑清(巨)以来38年ぶり3人目。

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