1安打快投の中日・高橋宏 躍進のきっかけは“地獄の遠足”「本当にきつかった。地獄でしたよ」

[ 2022年7月30日 04:47 ]

セ・リーグ   中日9-0広島 ( 2022年7月29日    マツダ )

<広・中>3回1死二塁、左中間に2点本塁打を放ったビシエド(66)を笑顔で迎える高橋宏(右) (撮影・奥 調)
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 敵地のファンも魅了する快投だった。中日・高橋宏は8回1死から小園に中前に落ちる初安打を打たれたところで降板となった。大記録こそ逃したが、自己最長の7回1/3で110球を投げ1安打無失点。ベンチに戻る背番号19に球場全体から大きな拍手が送られた。

 「6回に代打の堂林さんを抑えるまでは全く気付いていなかった。無駄な四球もあったので、投げている感覚はすごく良いわけではなかった」

 4月20日のヤクルト戦以来となる3勝目は最高気温36度の猛暑の中でつかんだ。最速155キロの速球を中心に力で押した序盤。中盤からはカットボールを増やし、ボールが先行してもスプリットでカウントを整えた。6回以降は1球ごとに声を出し、気力を振り絞った。中盤に一度140キロ台に落ちた直球は7、8回に再び150キロ台に戻った。

 躍進のきっかけは“地獄の遠足”だった。今季は基本的に登板後に登録を外れる“投げ抹消”が続く。抹消期間の前半を強化期間、後半を調整期間に設定。6月7~12日の千葉、札幌と続く遠征も登板予定がなかったが、チームに同行した。ナインには「遠足だ」と冷やかされたが、6日間みっちりと球場で走り込み下半身を強化。「本当にきつかった。地獄でしたよ」。流した汗は結果となって現れ、7月は3試合全てで7回をクリアした。

 今季の目標はヤクルトの奥川が2年目の昨年、18試合で記録した105イニング。高橋宏は12試合で72イニングと射程圏にとらえるが、勝ち星(奥川9勝)も諦めてはいない。「もっともっと勝てる投手になりたい」。伸び盛りの右腕が巻き返しの原動力になる。 (中澤 智晴)

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2022年7月30日のニュース