阪神・近本 9回2死同点打でドローに「負けることなく終われて良かった」 連続試合安打20に更新

[ 2022年6月24日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3-3広島 ( 2022年6月23日    マツダ )

<広・神>9回、適時打を放ち、二塁上で足を大きく広げて指を突きあげる近本(撮影・坂田 高浩)
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 阪神・近本光司外野手(27)が9回に起死回生の同点打を放ち、23日の広島戦を引き分けに持ち込んだ。初回の先制打で連続試合安打を自己最長の20試合に更新すると、2試合連続となる3安打猛打賞。打率も・302まで上昇し、4月8日以来となる3割復帰を果たした。ただ、打線は決め手を欠き、同戦は開幕から11戦未勝利(9敗2分け)。5位に転落するとともに、首位・ヤクルトとのゲーム差は今季最大の15に広がった。 

 これ以上、負け続けるわけにはいかない。近本が起死回生の一打で執念ドローを演出した。2―3の9回2死二塁。カウント2―2と追い込まれたが、頭は冷静だった。守護神・栗林が投じた5球目のフォークを右前適時打。土壇場で同点に追いついた。

 「なんとしても1本出さなきゃいけない場面で(栗林から)どうやったら打てるかしかイメージしてなかった。負けることなく終われたんで、良かったなと思う」

 3球目の鋭く落ちるフォークには空振りしていたが、正真正銘の勝負球はつかまえた。4時間52分に及んだ、価値あるドロー。矢野監督は「相手の栗林もいいクローザーなので、追いついたというのはよかった部分。負けて帰るのと引き分けでは全然違う」と評価した上で、続けて「そういう意味では、引き分けがあって良かったと思えるような、明日(24日)からの試合にしていかないとダメ」と気を引き締めた。

 初回無死二、三塁の好機では先制点を呼び込んだ。アンダーソンの高め直球を捉え、前進守備の遊撃の左を抜けていく中前適時打。自己最長を更新する20試合連続安打とし、「先に点を取ることができてよかった」と振り返った。20試合以上の連続安打は球団では11年の新井貴浩(22試合)とマートン(30試合)以来11年ぶり。5回には右前打を放つなど、2試合連続の猛打賞と奮起した。

 気温の上昇とともに疲れも出てくる時期だが、コンディションにも気を使っている。疲労回復に効果がある小型の水素吸入器を遠征先にも持ち込んでおり、移動中に吸入することもあるという。「疲れている時に使っている。寝起きもいい」。徹底した体調管理が好調を支えている。

 3―3の延長11回2死二塁の好機では見逃し三振に倒れ、天を仰いだが、4月8日以来の打率3割復帰となった。「打率は変動するものなので気にしていない」。求めているのは、個人成績ではなく、チームの勝利。この夜と同様に、目の前の打席だけに集中力を研ぎ澄ましていく。(長谷川 凡記)

 《ワーストの開幕11戦未勝利》阪神は広島と引き分け、このカードは9敗2分け。開幕から同一カードで11戦未勝利は、88年広島戦の10戦10敗を超える球団ワースト。

 《連続試合安打20試合超は9人目》近本(神)が自己最長を更新する20試合連続安打。2リーグ制以降の阪神で20試合以上連続は、11年にマートンが球団記録の30試合、新井貴浩が22試合達成して以来9人目(11度目)。

 《最大逆転劇は14・5差》阪神は広島と引き分け、首位ヤクルトとのゲーム差は今季最大の15に開いた。セ・リーグでは08年に巨人が阪神につけられた13差からの逆転優勝が最大で、プロ野球では63年に西鉄が南海につけられた14・5差が最大。阪神は前例のない逆転Vに挑むことになる。

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