“緊急昇格”阪神・岩崎が延長12回意地の20球 矢野監督「0に抑えたところに意味がある」

[ 2022年6月24日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3-3広島 ( 2022年6月23日    マツダ )

<広・神>延長12回、菊池涼を左飛に抑え、タッチを交わす岩崎(右から2人目)ら阪神ナイン(撮影・平嶋 理子)
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 つかの間の休息を終えた守護神が、いきなりしびれる場面に投入された。リフレッシュ目的の抹消から最短で合流した阪神・岩崎が登録即登板。延長12回に2死満塁まで追い込まれながら耐えしのいだ。

 前日は鳴尾浜にいた背番号13が、翌日には広島のマウンドで鬼気迫る表情を浮かべていた。先発のウィルカーソンから7人でつないできたバトンを託されて“大トリ”の8番手。いきなり先頭の中村健に中前打を許すなど1死一、二塁とされ、迎えた上本はストレートで詰まらせて二飛に仕留めて2死までこぎつけた。しかし、続く代打・長野には制球を乱して四球で満塁。前の打席で左翼線へ二塁打を放っている菊池涼と対峙(たいじ)した。

 カウント2―2から、勝負の5球目は140キロのストレート。捉えられたものの、前進守備ではなく定位置付近に戻っていた左翼・島田のグラブに白球は収まり4時間52分に及ぶ死闘は終幕を迎えた。顔から汗を噴き出しながら腕を振った左腕の意地が垣間見える20球。送り込んだ矢野監督も「いきなりポジション的にも難しいけど、0に抑えたところに意味があるんじゃないかなと思っています」と力投を称えた。

 不振のケラーに代わり4月上旬から9回を任され、交流戦では12球団最多タイの7セーブを挙げるなど奮闘。投球だけでなく、アルカンタラら助っ人と日本人投手の橋渡し役を買って出るなどブルペンの柱だ。蓄積疲労を考慮されて13日に出場選手登録を抹消。鳴尾浜では実戦登板せずに心身ともにリセットすることに専念した。

 当初は甲子園で行われる24日の中日戦から昇格する予定だった。だが、前夜も延長11回を戦って中継ぎ6人をつぎ込んでいたため、1日前倒ししての“緊急昇格”の意味合いが強い。早速やってきた出番で仕事を果たし、その存在感を示した。(遠藤 礼)

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2022年6月24日のニュース