広島・宇草 今季1号が人生初サヨナラ弾!課題の「低め」に対応 コイは虎に開幕9連勝

[ 2022年6月23日 04:45 ]

セ・リーグ   広島5ー4阪神 ( 2022年6月22日    マツダ )

<広・神>11回、サヨナラ本塁打を放った宇草(38)を出迎える広島ナイン(撮影・北條 貴史)
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 広島・宇草孔基外野手(25)が22日の阪神戦で、同点の延長11回に3年目で初のサヨナラ本塁打を決めた。計5得点のうち3得点を挙げる活躍で今季4度目のサヨナラ勝利に貢献。阪神に対して開幕から引き分けを挟んで9連勝とし、前夜に浮上した3位を死守した。

 劇的な一発は、宇草を悩ませ続けてきた「低め」から生まれた。同点の延長11回2死無走者。初球に来たアルカンタラの低め直球を狙った。完璧に捉えた打球は右中間席へ一直線に飛んでいき、今季1号が人生初となるサヨナラ打となった。

 「直球を中堅左に打つイメージだった。弾道が低かったし、入るとは思わなかった。先輩方やチームが(本塁で)待ってくれている光景、やばいっす。めちゃくちゃうれしかったです」

 本人いわく「僕の野球人生通しての課題」と挙げるのが「低めの球」への対応である。特に変化球の攻略に手を焼き、徹底して低めに球を集められていることにも気付いていた。「もう低めは見なくていいよ」と指示されたこともある。それでもバットは止まらない。東出野手総合コーチに相談すると、「まずは、どの球でも打ちにいって、低めだと思ったらバドミントンのように体の前で拾えばいい」と助言を受けた。

 その感覚をつかんだのは、3月18日のソフトバンクとのオープン戦。2ストライクから千賀の外角低めフォークを拾った。結果は二ゴロでも「東出さんが言っていたのは、この感覚のことかも」と、わずかな手応えを頼りに打席に立ち続けた。

 徐々に低めの変化球にも対応できるようになると、打席の中での狙いが変わった。「高めだけを狙おうとすると視界がぼやけてしまう。低めの直球を叩くような意識で入りながら、浮いてきた変化球にも対応する」。その狙い通り、初の劇弾は低め直球を叩くように振り抜いて生まれた。

 リーグ戦再開後は、5試合中4試合に2番で先発。3、5回の得点は安打で勝ち越しの起点をつくったように、低調だった打線を活性化させつつある。「打席でも守備でも、とにかく今に集中する。過去にも未来にもとらわれず、目の前に集中するだけ」。若さを生かしてハツラツと駆け回り、交流戦から続いていた重苦しい雰囲気を取っ払おうとしている。(河合 洋介)

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