虎に“Aロッド”!阪神が元オリックスのロドリゲス獲得 昨季3Aで29本塁打のMVP、右の長距離砲

[ 2022年6月21日 05:15 ]

阪神が獲得を発表したアデルリン・ロドリゲス
Photo By ゲッティ=共同

 阪神は20日、8人目の外国人選手で、今季パドレス傘下の3Aエルパソでプレーしたアデルリン・ロドリゲス内野手(30)の獲得を発表した。背番号91、年俸25万ドル(約3300万円。金額は推定)。メジャー経験はないものの、マイナー通算215本塁打の右の長距離砲で、20年にオリックスで1年プレーした経験も買われた。首位ヤクルトとは13・5ゲーム差の3位。7月上旬に来日予定の「虎のAロッド」が、後半戦ウル虎反撃の期待を背負う。

 阪神が手薄な右の長距離砲を緊急補強した。ロドリゲスは、20年に在籍したオリックスで、打率・218、6本塁打、25打点と低迷して1年で退団したものの、この数字だけで判断するのは早計だ。

 米国に戻った21年はタイガース傘下の3Aで打率・290、29本塁打、94打点の活躍をし、3AのMVPを獲得。今季はパドレス傘下3Aで打率・272、12本塁打、46打点をマークした。メジャー経験こそないものの、日本での活躍の指標になる3Aでは、マイナー通算215本塁打のうちの60発を打った。

 一発の魅力と、アデルリン・ロドリゲスの名前から、メジャー通算696本塁打のアレックス・ロドリゲスと同じ愛称が連想される。“虎のAロッド”は、球団を通じ「タイガースファンの素晴らしさは知っている。勝利に貢献できるようにベストを尽くしたい。ガンバリマス」とコメントした。

 外国人は1軍登録5人、ベンチ入り4人の枠があるものの、現状は余しているような状態。昨季22本塁打のマルテが右脚コンディション不良で2度、登録を外れ、現在も2軍調整が続く。ロハス・ジュニアは打率1割台に低迷してベンチを温める日が多い。打の助っ人がほぼ機能していないため、矢野監督は「一発で流れを変えるようなバッティングをしてくれたら」と新戦力に期待を込めた。

 一時は借金が16までふくれあがり、フロントは国内外で数多くの候補をリストアップした。ようやく決まった8人目の外国人選手。球団の嶌村聡本部長は、「長打力」に加えて「どんな攻め方で来るか、全く知らないわけではない方が、シーズン中はいい」と日本球界の経験が決め手になったことを明かした。守備位置は「基本的に一塁」と説明した。

 現在は、母国ドミニカ共和国で調整し、7月10日ごろまでに来日する見込みだ。ただし、指揮官が「空けて待っているわけじゃないんで」と語るようにレギュラーを保障されていない。まずは長打力をアピール。大山(17本)と佐藤輝(13本)頼みのチーム本塁打(48本)に幅を持たせられれば、相手の脅威が増える。(倉世古 洋平)

 ◇アデルリン・ロドリゲス 1991年11月18日生まれ、ドミニカ共和国出身の30歳。08年にメッツとマイナー契約。マリナーズ、オリオールズ、パドレスを経て20年にオリックス入団。59試合で打率・218、6本塁打、25打点。同年オフの自由契約後、21年はタイガース、今季はパドレスのマイナーでプレー。メジャー経験はなく、マイナー通算1219試合で打率・271、215本塁打、839打点。1メートル91、95キロ。右投げ右打ち。

 《守備に不安、どうなる定位置争い》“虎のAロッド”の懸念は守りだ。オリックス時代は、途中出場を含めて一塁に就いた38試合で8失策も犯した。人工芝以上に守りが難しいとされる土のグラウンド、本拠地・甲子園では不安要素がさらに高くなる。米マイナーでは三塁と左翼でも出場経験がある。しかし、三塁は、21年に3Aで31試合に出て12失策をし、阪神での起用はないとみられる。嶌村球団本部長が「起用は(首脳陣が)考えながらやっていただける」と含みを持たせたように、左翼は選択肢の一つ。一塁ならマルテ、左翼ならロハスと外国人枠を争うことになるが、いずれにせよ、守備に目をつぶれるだけの打力を示す必要がある。一塁固定で打撃が絶好調の大山は、マルテの復帰とロドリゲスの合流が見込まれる7月中旬に、左翼か、左膝の回復次第で三塁に回ることも予想される。

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