オリ・由伸は向上心の塊 「ジャベリックスロー」など独特トレーニングでフォーム模索

[ 2022年6月19日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス2―0西武 ( 2022年6月18日    ベルーナD )

ジャベリックスローで練習するオリックス・山本
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 向上心の塊のような男だ。昨季投手タイトルを総ナメにした新時代の剛腕オリックス・山本は、まだ“伸び代”を感じている。

 「今年は特に傾斜。傾斜をうまく使いたい。(フォーム的に)平地の方が投げやすく、角度が付いても同じようにしたいんです」

 あどけなさが残る表情から想像できないほど、全球種がエグい。土台は、球界の常識を覆す独自の投球フォーム。グラブをはめた左腕を真っすぐ前に伸ばし、同時にボールを持つ右腕も反対側へ。体の中心から左右対称に開いた状態で体重移動し、下半身も含めた全身の機能を連動させる。それは平地の方が確認しやすく、傾斜の角度によって実際の身体操作とイメージの誤差を生んでいた。「もっと、よくできる余地がある」。最大限に発揮するために、繊細な体重移動を求めてきた。

 鍛え方も独特。長さ60~70センチ、重さ400グラムのプラスチック製のやりを使用する「ジャベリックスロー」と重さ約4キロのハンマーを横歩きに合わせて円運動するハンマートレ。ウエートは一切しない。倒立やブリッジなどバランスを重視する。

 ともに1年目の17年オフに導入。同年9月、日本ハムだった大谷(現エンゼルス)を空振り三振に斬り、「今年対戦した投手で一番」と絶賛されたばかりだった。首脳陣から「出どころが見えやすいのでは?」と元のオーソドックスなフォームに戻すよう何度打診されても譲らなかった。芯の強さも半端ない。

 ジャベリックスローは「令和の怪物」佐々木朗らも取り入れ、投球フォームを模倣する高校球児も多い。新機軸を示す23歳には、次代を担う資格がある。(オリックス担当・湯澤 涼)

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2022年6月19日のニュース