広島サヨナラ零敗 交流戦開催4年連続負け越し 佐々岡監督「安打が出ても2死から…」

[ 2022年6月9日 05:00 ]

交流戦   広島0ー1楽天 ( 2022年6月8日    楽天生命 )

<楽・広>10回、サヨナラ負けに渋い表情の佐々岡監督(前列左から3人目)ら広島ベンチ(撮影・白鳥 佳樹) 
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 広島は、8日の楽天戦で今季3度目のサヨナラ負けを喫した。得点圏には10イニングで1度しか走者を進められず、零敗は今季6度目、交流戦では14試合目で4度目となった。3番を担っていた西川を欠く打線は、交流戦では12球団で唯一本塁打なしと不振。再び交流戦単独最下位に転落し、残り4試合を残して開催4年連続(20年は交流戦未開催)の交流戦負け越しが決まった。

 前夜からの11イニング連続のゼロ行進は、打線の苦しい状況が如実に表れていた。計4安打は全て2死からの単打で、唯一連打が生まれた7回2死二、三塁では堂林が空振り三振。終始展開に恵まれず、佐々岡監督は積極的な作戦が取れなかったと振り返った。

 「先頭打者が出塁できず、安打が出ても2死からと作戦が取れずにつないでいくしかないという展開になった。その中で相手投手に、いろいろな球を低めに集めて打たされた」

 先頭打者が出塁した0―0の6回に首脳陣の苦悩が透けて見える。石原が四球を選んで無死一塁。続く野間が初球のバントをファウルにすると、2球目から強攻策に切り替えるも中飛に終わった。菊池涼は遊直、中村奨は空振り三振と凡退。走者を得点圏に進めることすらできなかった。

 6回の攻撃について指揮官は「最初は(犠打で)動かそうとしたが、いまの野間の(好調な)状態などを含めて、つなげてくれるだろうと考えた。転がせば併殺はない…などいろんな考えがあった」と説明した。

 今季はリーグトップの56犠打を数えるように「つなぎの攻撃」を掲げてきた。しかし、両チーム無得点の場面で犠打を選択しなかったのは、3番・西川のコンディション不良による離脱と無関係ではないだろう。3番は前夜が宇草、この日は中村奨が入ったように流動的。西川の不在、試合前時点で打率・338を誇っていた野間の好調さなどを総合的に判断した作戦が奏功しなかった。

 これで交流戦は14試合連続本塁打なし。交流戦史上初の0本塁打が目前まで迫ってきた。それでも、朝山打撃コーチは「開幕してから本塁打は元々出てないし、そこは気にしていない。本当につないでいくしかない」と言葉に力を込めた。交流戦1試合平均1・8得点という不振からの打開策は長打を待つことではなく、つなぐ攻撃の徹底にあるということだろう。交流戦は残り4試合。意地を見せる時間は、まだ残っている。(河合 洋介)

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2022年6月9日のニュース