広島・森下「先にマウンドを降りたくなかった」…由伸と投手戦も力尽く チームはオリックス戦11連敗

[ 2022年6月5日 05:00 ]

交流戦   広島2ー3オリックス ( 2022年6月4日    マツダ )

<広・オ>力投する先発の森下(撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 広島・森下暢仁投手(24)が4日のオリックス戦で力投報われず、7回2/3を投げて3失点で3敗目を喫した。金メダルを獲得した昨夏の東京五輪で同僚だった山本と初めての投げ合いで投手戦を演じながら、2―1の8回に2失点して逆転負け。チームは連敗となり、18年から続くオリックス戦の連敗が「11」に伸びた。

 森下は普段以上に相手の投げる姿を見つめていたことだろう。東京五輪で同僚となり、親交も深い山本との投げ合い。最後は力尽きたものの、お互いに刺激し合ったことで息詰まる投手戦となった。

 「本当に先にマウンドを降りたくなかった。先に点は取られたけど、いい投手なので最少失点で抑えないと、なかなか勝てない相手だと思っていました」

 終盤に突然試合が動いた。初回から援護がなかった中、逆転に成功して迎えた2―1の8回だった。先頭の山本に代打が送られ、相手よりも長くマウンドに立つことは決まった。しかし、単打2本などで1死一、三塁。吉田正を内角直球で詰まらせて一塁へのゴロに仕留めるも、間一髪で併殺が間に合わずに同点の生還を許した。その後2死一、二塁を招き、無安打2三振に抑えていたT―岡田との対戦。カウント1―1から内角を狙った直球が真ん中に入った。勝ち越しの中前打とされて交代を告げられた。

 「あそこ(T―岡田)が全てだったと思う。完全に真ん中に入った。いい投手から2点を取って逆転してくれた中で、ああいう形で簡単に逆転されたことは反省していますし、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 決して黒星のつく内容ではなかった。2回先頭の杉本に許した左中間への先制ソロ本塁打は、数少ない失投を捉えられたもの。自己ワーストの9失点を許した前回5月28日のソフトバンク戦から制球が改善され、中でも直球の精度が抜群だった。3ボールまで進んだ打席は3度しかなく、8回2死二塁で杉本を敬遠気味に歩かせたのが唯一の四球だった。

 「直球でカウントを作っていくタイプ。前回は全然できなかったけど、空振りも取れていたし、カウントを崩す場面が少なかった」

 打席では山本がカーブやフォークを織り交ぜる真剣勝負で挑んで2打席凡退。「本当にいい球だった。なかなか打てない投手の打席に立てたのはよかった」。球界を代表する若手右腕の初対決にふさわしい、見応え十分の熱戦となった。(河合 洋介)

 ▼広島・佐々岡監督 森下は(山本に)負けたくないという気持ちが出ていた。(8回は)当然、続投。森下を責めることはできない。ナイス投球だった。

 《坂倉が難敵攻略》広島・坂倉が難敵を攻略した。0―1の7回1死一塁でカウント1―2から山本の直球を捉え、右中間を破る適時三塁打を放った。「たまたまです。少し詰まっていたけど、抜けてくれて良かった」。三塁での出場が続いていた中、捕手としては5月19日の巨人戦以来となる先発出場。「やっぱり勝ちたかった。任されたところで結果を残すだけなので、マスクをかぶらせてもらったら結果を残したい」と気を引き締めた。

続きを表示

2022年6月5日のニュース