巨人・原監督通算1181勝「尊敬する指導者」星野仙一さんに並ぶ歴代10位偉業

[ 2022年5月25日 05:30 ]

交流戦   巨人4―2オリックス ( 2022年5月24日    東京D )

<巨・オ>オリックスに勝利しファンの応援に応える原監督(撮影・沢田 明徳)
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 巨人は交流戦の開幕となったオリックス戦に4―2で勝利し、原辰徳監督(63)は星野仙一氏と並ぶ歴代10位の監督通算1181勝に到達。1点を争う展開だった同点の8回無死一、二塁では送りバントではなく強攻策でアダム・ウォーカー外野手(30)が決勝の左前適時打を放つなど積極采配で白星をたぐり寄せた。

 迷いはなかった。2―2の8回無死一、二塁。犠打も考えられる場面で原監督は選手を信じた。「あそこはウォーカーに任せる。自分の打撃をしてくれと」という強攻策がはまる。決勝の左前打。強気の采配でもぎ取った監督通算1181勝目をマークし、歴代10位の星野仙一氏に並んだ。

 03年10月7日。原監督は第1次政権の最終戦を甲子園で迎えた。3位ながら優勝を逃し無念の退任。試合後、当時の敵将だった星野監督に花束を渡され、抱きしめられた。「くじけるな。また勉強せいよ。そして、必ず戻ってこい!」。耳元で言われた言葉は、今でも胸に刻まれている。

 13年11月3日。星野楽天と仙台で日本シリーズ第7戦を戦った。敗戦して3勝4敗で日本一ならずも、不思議な感情が湧いた。「凄く不思議な、今まで過去にもなかったし、後にもない。手で拍手するのではなくて、心の中で凄く拍手を送っていた」と振り返る。

 18年1月4日。闘将が逝った。「仏の顔と優しさ、それと勝負に立つ鬼の厳しさ。2つの顔を持っていた」と回想しながら、プロ入り時の対戦が頭を駆け巡った。「“うりゃあ、行くぞー”って投げていた」。プロでの通算成績は36打数7安打、打率・194。2年間の対戦で本塁打は打てなかったが、選手として監督として、多くを学んだ。

 22年5月24日。星野氏に肩を並べたが「並ぶに値するものではない。道のり含め、僕はまだまだ」と恐縮する。星野監督はどんな存在だったのか――。そんな問いかけに、遠くを見つめて言った。

 「やっぱり尊敬する指導者であり、尊敬する先輩であり、尊敬する人間であったというところですね。一口でこうだったということは語れない」

 厳しさと愛情。17年間、指揮を執った闘将の背中を追いかけるように、通算16年目のシーズンを戦っている。(川島 毅洋)

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