日本ハム・宮西 史上通算8人目800試合登板で「感謝」 新庄監督、岩瀬の1002試合まで「投げろ」

[ 2022年5月22日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム4―0西武 ( 2022年5月21日    札幌D )

<日・西>800試合登板の記念ボードを上に掲げて写真に納まる宮西(撮影・高橋茂夫)
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 一歩ずつ、地道に積み重ねてきた。史上8人目の800試合目のマウンドは勝ち試合の9回。日本ハム・宮西は晴れ舞台を用意してくれた首脳陣に感謝の念を持ち、山川ら上位打線をあっさりと3人で片付けた。

 7回無失点で勝利投手となった上沢と並んだヒーローインタビュー。「完投すると思っていたので、まさか投げるとは思わなかった」と後輩をいじりつつ「しっかり今日の景色を眺めたい」。温かい拍手を送る1万2988人のファンの姿を目に焼き付けた。

 プロ野球最多377ホールドの左腕が、人知れずもがき苦しんでいた。4月は防御率・9・95。救援エースがビハインドの場面で投げることも多くなっていた。18年オフに手術した左肘をかばうフォームがこの数年で染みつき、「初めてのイップスではないが、スライダーの投げ方が分からなくなった」と告白した。「何でや。何があかんねん」。眠れない夜は何度もあった。

 それでもプロ15年目のベテラン。引き出しは経験の宝庫だ。試行錯誤するうち、軸足の左足にタメがなくなっていたことを発見。「去年は全く気づけないまま」だった本来の感覚を取り戻し、5月は防御率1・59と復調。「やっと光が見えた」と笑顔が戻った。

 次の目標を聞かれると「900と言いたいところやけど、一試合一試合の積み重ね」と強調。一方、新庄監督の指令は岩瀬仁紀(中日)のプロ野球最多1002試合登板だ。試合後のささやかな祝賀会でナインを前に「そこまで投げろ」と言われ「笑いしか出なかった」と苦笑いした。

 「トレーナーさんがいなかったらこの800試合はなかった」と周囲への感謝を忘れない36歳は「体は意外に元気。全然いけちゃう」と話す。通算400ホールドに、あと34試合とした岩瀬と並ぶプロ野球記録の15年連続50試合登板。鉄腕はまだまだ伝説を刻む。(東尾 洋樹)

 ≪全試合救援達成は五十嵐以来≫宮西(日)が21日の西武戦で通算800試合登板を達成。プロ野球8人目、パでは米田哲也(阪急、近鉄)914試合、梶本隆夫(阪急)867試合に次ぐ3人目となった。宮西は初登板の08年3月25日の西武戦からすべて救援登板。初登板から800試合連続救援登板は823試合の五十嵐亮太(ヤクルト)に次ぐ2人目で、パでは初めてとなった。

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