中村武志氏 首位・楽天に見える課題を指摘 意味のない盗塁に打球判断の悪さ…自ら勝利手放す

[ 2022年5月11日 21:42 ]

パ・リーグ   楽天1─3ロッテ ( 2022年5月11日    楽天生命 )

<楽・ロ>5回1死一、三塁から炭谷のセーフティースクイズ(撮影・長久保 豊)
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 楽天は11日、ロッテに競り負けて球団記録を更新中だった連勝が11で止まった。本紙評論家の中村武志氏(55)は2試合連続でセーフティースクイズに失敗するなど大型連勝中も走塁などで相手に隙を見せていたことを指摘。依然として首位も13年以来の優勝に向けて課題は多い。

 楽天の連勝は止まるべくして止まった。この日の敗因は明らかで走塁ミスが続出したこと。首位を快走するチームとは思えない隙だらけの戦いぶりだ。

 最も痛かったのは0―0の3回2死一、三塁の場面だ。打者は3番の浅村だったが、一塁走者の山崎が二盗をして失敗した。挟まれようともせず、重盗による本盗を狙ったわけでもない。たとえ成功しても二、三塁で一塁は空き、浅村がまともに勝負されないことを踏まえれば何の意味もない盗塁だ。しかもロッテバッテリーは3度けん制し、走った時も外角に外した。警戒度を上げていたし、アウトになる確率も高かった。そもそも得点圏打率4割を誇る浅村。ベンチはただ、じっとしていればよかった。悪い流れのまま直後の4回に3点を先制された。

 0―3の5回1死一、三塁もそうだ。打者は9番の炭谷。1点を返したい場面でセーフティースクイズをし、投前へのゴロで三塁走者は楽々アウトになった。前日も0―0の5回1死一、三塁、炭谷の打席でセーフティースクイズを仕掛け、捕手前のゴロで三塁走者が飛び出してアウトになった。捕手前や投前では走ってはダメ。打球判断が悪すぎる。その判断が難しいのなら、まだ普通にスクイズをすれば良かった。

 99年に中日が開幕11連勝した時もそうだったが、星野仙一監督は勝っている時ほど動かずに選手に任せていた。13年の楽天優勝時もそうだった。連勝中は勢いがあり、対戦相手がミスしたり、勝手に転んでくれるもの。だが、楽天は動きすぎて自ら勝ちを手放してしまった。もの凄くもったいない負け方。こういう時こそ、ベンチはドシッと構えていればいい。(本紙評論家)

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2022年5月11日のニュース