阪神また黒歴史…球団最速38戦10度目の零敗 34年ぶり広島戦開幕6連敗

[ 2022年5月11日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0-3広島 ( 2022年5月10日    甲子園 )

<神・広>6回2死一、二塁、マルテは床田の前に空振り三振に倒れる(撮影・大森 寛明)
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 阪神は10日、広島戦に0―3で敗れた。右足コンディション不良から復帰したジェフリー・マルテ内野手(30)を「3番・一塁」で起用するなど打線を大幅に組み替えたが、相手先発・床田寛樹投手(27)の前に散発5安打と沈黙した。球団最速となる38試合で10度目の零敗を喫し、シーズン零敗は球団ワースト更新ペース。このカードの開幕6連敗は1988年以来34年ぶりの屈辱となった。

 貧打解消の糸口が見えない。本塁が遠い。9回、近本、中野の連打で無死一、二塁と抵抗したものの、マルテは中直、佐藤輝は右直、大山は3ボールから打って平凡な三ゴロに倒れ、ゲームセットを迎えた。投手陣が抑えながら援護できない。今季恒例の試合展開を、矢野監督は嘆いた。

 「ピッチャーが頑張っているんで。それがずっと続いてるんで、打線を何とかするしかないんで。ずっと一緒やね」

 打線を大幅に組み替えた。4月1日巨人戦を最後に、右足コンディション不良で戦列を離れていたマルテを、昇格即、3番・一塁で起用。5番・大山を2年ぶりに左翼で先発させ、今季初スタメンの北條を6番に置いた。7番の熊谷を含め、広島の先発・床田対策で右打者を5人並べた。

 迫力の面では、オーダーにロハス・ジュニアや高山の名前があった方が、相手に与えるプレッシャーは大きいはず。だが、それは過去にも打った手で、指揮官は北條の実力と個性に打開策を求めた。

 「ムードメーカーでもあるし、空気を変えてくれる力を持っている選手なので」

 マルテは、2軍で3試合しか実戦を積めていないことを承知で、「もうちょっと調整してという形にしたかったけど、こっちもきっかけがね、何かつくれたらというところで」と早期の復帰を決めた。

 しかし、期待の2人から快音は響かなかった。マルテは好内容の打席もあったものの、6回2死一、二塁で三振に終わった。今季、左腕に2勝12敗。打線のてこ入れをしても、サウスポー・アレルギーは深刻なままだ。

 さらに寂しい数字が並ぶ。広島戦の開幕6連敗(1分けを挟む)は、同10連敗をした88年以来34年ぶりの屈辱となった。借金13の約半分に当たる6つが、鯉にやられたものだ。今季38試合で零敗10度目。2桁到達は球団のシーズン最多記録である24度の零敗を喫した63年45試合目がこれまでの最速だったが、それを軽々と上回った。このまま行くと、球団ワーストを更新するシーズン零敗37度ペースだ。これ以上の黒歴史を防ぐためには、打線が打つしかない。(倉世古 洋平)

 ○…阪神は今季広島に開幕6連敗(1分け)、同カードでは88年の開幕10連敗以来で、6連敗以上は61年6連敗との3度目。5月6日の中日戦以来3試合ぶりの零敗で、今季早くも10度目。セ・リーグ球団で38試合目までに2桁到達は、12年DeNAの36試合目以来、延べ5球団目。阪神は63年の45試合目を更新する球団最速。同年、球団ワーストの零敗24度を喫しているが、今季は37度のペースだ。

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2022年5月11日のニュース