楽天・マー君 国内9年ぶり完封 チーム11連勝で勝率驚異の8割

[ 2022年5月11日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天7-0ロッテ ( 2022年5月10日    楽天生命 )

<楽・ロ>7回1死一、二塁、山口を併殺に取り吠える田中(撮影・長久保 豊)
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 楽天の田中将の心を奮い立たせてくれる究極の舞台装置。それが9回に流れる「FUNKY MONKEY BΛBY’S」の「あとひとつ」だ。13年11月3日、日本一を決めた日本シリーズ第7戦もそうだった。当時は観客席のファンが大合唱。声を出せない今は手拍子にパワーをもらった。

 
「一押し、背中を押してくださったので最後まで投げきることができました」

 8回を投げ終えて95球。余力は十分だった。先頭・菅野をスライダーで一ゴロ、中村奨はスプリットで空振り三振。佐藤都には3球目に150キロをマークし、最後はスプリットで左飛に打ち取った。13年7月9日の日本ハム戦以来3227日ぶり、日本復帰後初完封でリーグ単独トップの4勝目。「もちろん僕一人の力じゃない。いろんなことがかみ合わないと9回を投げきることはできない」。圧巻の快投にも周囲への感謝を忘れないのが田中将らしい。

 「あとひとつ」は渡米前から、本拠地で9回のマウンドに上がる際にだけ流れる曲。復帰1年目だった昨季の最終登板、10月25日のオリックス戦では「球場の雰囲気も含めて何か変えたかった」と初回の登板前に流してもらった。9回に流れるのは、メジャーで4度目の完封となったヤンキース時代の19年6月17日レイズ戦以来、1058日ぶりだった。

 自身に白星はつかなかったが、強風の中で7回1失点と好投した4月26日のロッテ戦からチームの連勝が始まった。「チームが10連勝中でマウンドに上がる機会はない。いい機会だと思って、いい緊張感の中で投げることができた」。いや応なしに連勝記録が注目される状況で、プレッシャーすら力に変えた。

 早くも昨季の勝ち星に並び、開幕から6戦連続ハイクオリティースタートも達成。開幕から24連勝でチームを頂点に導いた9年前をほうふつさせる完封劇だった。(重光 晋太郎)

 ≪現役完封数単独3位≫田中将(楽)が完封で今季4勝目。日本での完封勝利は13年7月9日日本ハム戦以来9年ぶり通算19度目。現役では金子(日)、菅野(巨)の21度に次ぎ、岸(楽)の18度を抜き単独3位に浮上した。これで今季は6試合に登板し全て7回以上、自責点2以下のハイクオリティースタート。開幕6試合以上のハイクオリティースタートは19年大竹(ソ=6試合)以来。自身では11年に12試合連続でマークしたのに次いで11年ぶり2度目だ。

 ≪31試合終え24勝6敗1分け≫楽天がチーム記録を更新する11連勝。31試合を終え24勝6敗1分けで勝率.800となった。開幕30試合以上を消化して勝率8割以上は2リーグ制以降では83年巨人以来延べ7チーム目。パでは65年の南海以来57年ぶり2チーム目となった。南海の最高勝率は65試合目の.859。最後の勝率8割以上は81試合目(.800)。

 【各界の勝率8割】☆高校野球 大阪桐蔭は甲子園通算83試合で69勝14敗、勝率・831。桑田、清原のKKコンビを擁した83~85年のPL学園は夏に2度優勝するなど通算26試合で23勝3敗。3年間の勝率は・885だった。ちなみに漫画「ドカベン」「大甲子園」の明訓高校は主人公・山田太郎在学中の3年間に甲子園通算23勝1敗で勝率・958。
 ☆大相撲 元横綱・白鵬(現間垣親方)は優勝45回など歴代最多の通算1187勝(247敗)。21年間の勝率は・828で、幕内の勝利は1093勝(199敗)、勝率・846。
 ☆NBA 15~16年ウォリアーズがレギュラーシーズン最終戦でブルズ(95~96年)の72勝を20年ぶりに更新する73勝(9敗)を挙げ、勝率を・890とした。
 ☆Jリーグ シーズン勝率8割以上は過去8チーム。最高勝率は昨年に28勝8分け2敗と圧倒的な強さを見せた川崎Fの・933。
 ☆将棋 藤井聡太王将は16年度のデビュー年に10戦全勝。翌17年度以降は昨年度まで5年連続して勝率8割以上をマークしており、羽生善治九段が87、88年度に記録した2年連続勝率8割超を大幅に更新中。
 ☆競馬 85年以降、G1優勝経験のある馬で通算勝率8割以上はシンボリルドルフ(・813、海外含む=以下同じ)、ミホノブルボン(・875)、タイキシャトル(・846)、ディープインパクト(・857)がいる。

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2022年5月11日のニュース