日本ハム 枳穀1軍マネジャーを報道陣の前でねぎらった新庄監督の意

[ 2022年5月10日 07:45 ]

日本ハム・枳穀涼介1軍マネジャー
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 2リーグ制以降では球団史上最速となる33試合目で自力優勝の可能性が消滅した6日の西武戦終了後。日本ハム・新庄監督はベルーナドーム名物の長い階段を上り終え、息を切らしながら「ライオンズにお願い!エスカレーターつけて。ここは50(歳)にはヤバイわ!」と冗談めかしつつ報道陣の前に登場した。

 ただ、笑い話で済ませただけではなかった。「枳穀(きこく)マネジャーはスーツケースを持ってここを15往復くらいしていたらしい」。こう続け、指揮官の後ろで取材を受ける様子を見守っていた枳穀涼介1軍マネジャー(32)の労を、大勢の報道陣の前でねぎらったのだ。

 北海道愛別町出身の枳殻マネジャーは、旭川龍谷―北海道東海大を経て、NPB入りを目指してBCリーグの石川でもプレーした経歴を持つ。残念ながら選手としてNPBの舞台に立つ夢はかなわなかったが、14年に1軍用具係として日本ハム入り。きめ細やかな仕事ぶりが評価され、現在は1軍マネジャーとして、新庄監督やチームのサポートに粉骨砕身している。指揮官は日頃の感謝を対外的にも表現したかったのだろう。

 新庄監督は植木職人だった父・英敏さん(故人)に幼いころから他人への感謝の気持ちを表すように厳しく育てられてきたという。監督就任後もグラウンドを整備するグラウンドキーパー、自身の企画をサポートしてくれるスタッフらに、報道陣の前でことあるごとに感謝の言葉を述べてきている。昨秋の監督就任会見でも「人の悪口を言わない、いただきます、ありがとうございました、を言える選手を育てていきたいですね。僕はちゃらんぽらんにしてますけど、そういう上下関係はちっちゃいころから親の教育でしっかりしたものを持っていた」と語った。

 昨季まで3年連続5位に沈んだチームの再建を託された指揮官。今後、選手がどのような人間的成長を見せていくかにも興味深く見守りたい。(記者コラム・東尾 洋樹)

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2022年5月10日のニュース