日本ハム・石川直 954日ぶり復帰戦で1回無失点!山川らから3者連続三振奪い「楽しかった」

[ 2022年5月9日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム1―5西武 ( 2022年5月8日    ベルーナD )

<西・日>7回、4番手で登板する石川直(撮影・沢田 明徳)
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 20年8月に右肘内側側副じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた日本ハムの石川直也投手(25)が8日、西武戦で19年9月27日のオリックス戦以来954日ぶりに1軍登板を果たした。1安打こそ許したが、好調の山川穂高内野手(30)らから3者連続空振り三振を奪い、1回無失点。18、19年には守護神も務めた156キロ右腕が、返り咲きへ再出発した。

 背番号51がマウンドに帰ってきた。誰もがこの時を待っていた。復帰戦は圧巻の三振ショー。ファンの拍手を受けてベンチに戻ると、新庄監督や仲間から「ナイスピッチング」とねぎらわれた。大粒の汗が流れる顔は充実感でいっぱいだった。

 「楽しかった。緊張もしたし、凄いワクワクもした。ちょうどいい打順だったので、なおさら。ゼロから始まったのはよかった」

 試合前に新庄監督から「(試合展開次第で)今日あるよ」と伝えられていた。登板は7回。先頭のオグレディに中越え二塁打を許したが、ここから真骨頂を見せた。続く外崎はフォークで空振り三振。この日2本塁打の山川を迎えた場面で武田投手コーチがマウンドを訪れ、バッテリーに勝負か申告敬遠の意思を委ねたが、選択は「山川勝負」だった。

 初球、代走・愛斗にモーションを盗まれて三盗を決められたが、動じない。カウント1―1から直球で空振りを奪うと、最後はフォークで空振り三振。中村もフォークで空振り三振に仕留めた。最速149キロを記録した球速については「まだまだ」。一方で新庄監督は「あれだけ調子のいい山川君が振るんだから相当いいボールが来ていたんじゃないか。楽しみな投手です」と今後に期待を寄せた。

 今後の目標は守護神復帰だ。現在は新人の北山が務めるが、18年に自己最多19セーブを挙げた右腕は「ここから奪い取る気持ちでやっていきたい」と闘志を燃やす。チーム防御率は12球団ワーストの4・15。石川直の復帰により、救援陣に厚みが増すことは心強い。

 リハビリ期間中は「投げられないストレスがあった」と漏らしたこともあった。それでも自宅に帰ると妻、そして今年1月に誕生した長女の笑顔が活力となった。母の日の復活劇。「試合前に(母から)“頑張って”とLINEが来ていたので、いい結果を残せてよかった」とほほ笑んだ。

 手術を決断したのは将来も見据えて「パワーアップするため」。遠回りにはなった。だが、判断が間違っていなかったことを証明するためにも今後もゼロを並べていく。(東尾 洋樹)

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