金本知憲氏 バット振れていない阪神打線は、各自で改善点を見いだせ

[ 2022年4月11日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0-1広島 ( 2022年4月10日    甲子園 )

<神・広>9回 1死三塁 佐藤輝 空振り三振(投手・栗林)(撮影・成瀬 徹)  
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 【金本知憲 視点】広島の先発・遠藤は決して状態が良いようには見えなかった。甘いボールや、高めに浮くボールもあった。両チームとも得点を奪えなかったが、決して投手戦というイメージではなかった。阪神打線はフライアウトも多く、打ち損じが多かった。

 また、今季は足を使った攻撃も影を潜めている。それを象徴するシーンが初回無死一塁の場面。遠藤はあまりクイックモーションが速いとは感じなかった。この投球モーションなら一塁走者の近本は「走るな」とみていた。今季はチームとして走っていないのか、それとも走れる場面がないのか、それはわからない。

 よく負けている時こそ、「積極的に」とも言うが、当然ながら積極的に行って失敗するリスクもある。そこのバランスは正直難しいところだ。しかし矢野監督が掲げているチーム方針の「積極性」は忘れてはいけない。それだけに初回はスタートを切っても良かったのでないかと思う。

 打線全体としては、やはりバットが振れていない。バットの振りが鈍い。打開策としてはやはり各自が状態を上げていくしかない。私の場合は打撃フォームの形をつくるにも、バットのヘッドスピードを上げるためにも、キレを出すためにも素振りだった。しかし、選手によって方法は異なる。眠っている体を一回、起こすみたいな感じだ。それは各自でやっていくしかない。

 佐藤輝も昨季と同じで内角球に苦しんで、明らかなワンバウンドに手を出してしまう打席内容も目立つ。状態を上げることも、配球を見直すことも、まずは個人個人で現状を把握し、改善点を見いだしていくしかない。

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2022年4月11日のニュース