阪神・及川 悔しさ胸に…先発への挑戦機会再びつかみ取るため「立ち位置理解して腕を振っていく」

[ 2022年3月6日 11:15 ]

阪神・及川 
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 悔しさを押し殺す表情が印象的だった。昨季高卒2年目で39試合登板と飛躍を果たした阪神・及川雅貴投手(20)。今春は開幕ローテーション入りを目指して自身初の1軍キャンプを完走した左腕は今、昨季同様に中継ぎとして調整を進めている。

 「先発へのこだわりはありますし、もちろん悔しい気持ちはあります」

 課題は明確だった。今春登板した対外戦3試合で全て最初のイニングから四球を与え、走者を背負った投球を強いられた。「自分で自分を苦しめてしまっているのも分かっている中で、どうしても…。ブルペンでの球が再現できるかは、自分の内面の問題だと思うので、そこをどう自分で切り開いていくか。技術面はある程度付いてきているのは感じているので、内面の部分ですね」。立ち上がりの課題を克服できず、先発争いからは後退する形に。若干20歳の左腕は、掲げていた目標に届かなかった現状を真正面から受け止めていた。

 「以前から言っているように自分の任された立場、立ち位置がありますし、それは矢野監督が決めること。自分の立ち位置はしっかり理解して、チームのために腕を振っていきたいと思います」

 ポジションは違えど、貢献する思いは不変だ。「去年中継ぎとしてやらせてもらっていますし、経験はある程度できていると思うので。調子をキープして、いい場面でしっかり投げてチームに貢献していきたいと思います」。5日の楽天戦では8回から登板し、四球を与えず2回1安打無失点。チームとしても岩崎、新守護神候補のケラーにつなぐ「7回の男」が不在の現状で、背番号37にかかる期待は大きい。

 また、金村投手コーチは「(中継ぎ再転向は)監督の判断だけど、僕は悪いと思っていない。長いシーズン考えた時に、また先発って可能性はなきにしもあらず。先発がきっちり回り続けるわけでもないので、そういうときのためにキャンプの調整では投げ込みもしたし、彼の今後に生きてくる」と再び先発に回る可能性についても言及した。まっさらなマウンドに立つために、今は爪を研ぐとき。矢野監督は「まだそこまでの力がないってこと。その悔しさを、先発をもぎ取るんだって気持ちでやってもらいたい」と愛情のこもった激励を送った。若き左腕は任されたポジションを全うし、先発への挑戦機会を再びつかみ取る。(記者コラム・阪井 日向)

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2022年3月6日のニュース