阪神・鈴木へ、同郷の横田慎太郎氏がエール「先発でチームを引っ張って」 動画でチェック「打ちづらそう」

[ 2022年1月24日 05:30 ]

 外野でノックを受ける鈴木(右から2人目)ら新人選手たち(撮影・大森 寛明)
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 脳腫瘍の闘病を経て19年に現役を引退した元阪神の横田慎太郎氏(26)が23日、本紙を通じて同じ鹿児島県日置市出身のドラフト2位・鈴木勇斗投手(21=創価大)にエールを送った。現在、チームに在籍する選手では唯一となる同郷の後輩。最速152キロ左腕の触れ込みにたがわぬポテンシャルの高さに驚き、次代のエース候補である高橋とのローテーション形成に期待を寄せた。

 鹿児島愛と、虎の新星への期待に満ちたエールだった。横田氏が同じ日置市からタテジマのユニホームに袖を通した鈴木に描いた未来図はまぶしかった。

 「サウスポーですし、直球も152キロぐらい出るみたいですね。やっぱり、僕と同じ年でもある高橋遥人と先発でチームを引っ張っていってほしいですね。鹿児島出身で親近感もわきます。僕がタイガースにいた時は福留さん、榎田さん、大和さん、金田さんとたくさんいたので鈴木君が活躍してまた鹿児島を盛り上げてほしい」

 同市出身であることはドラフト指名後に知り、動画で投球をチェックした。「体格は大きくないかもしれないですけど、変化球も同じ腕の振りをしていて打ちづらそう」と打者目線で後輩の強みを分析。自身の在籍時には福留ら鹿児島出身の先輩が多くいたものの、現在は鈴木1人だけとあって「もう一回鹿児島を元気にしてほしい」と願いを託した。

 現在、鈴木は鳴尾浜で新人合同自主トレに参加中。横田氏も自身の経験を思い返しながら、プロでの躍動を願った。「自分はグラウンドに一番に出て、人よりも早く練習することを大事にして1月からやってました。ランニングしたり、素振りをしたり。いろんな人にあいさつもしないといけないですし、大変だと思います。自分が言える立場じゃないですけど、すごく注目されると思いますけど、自分に負けないようにできることを必死にやって自分の目標に突き進んでやってほしいです」。

 「より一層、応援したくなった」という鈴木だけでなく、ドラフト1位の森木ら他のルーキーたちにも言葉を送った。「2月からキャンプに入ると思うので、最初は緊張すると思いますけど、自分を見失うことなく自分の目標、優勝に向かって頑張ってほしい」。

 自身が志半ばで去ったプロの舞台に上がる後輩たちを見つめる目は優しかった。(遠藤 礼)

 《現在は講演活動を》 横田氏は現在、地元・鹿児島を中心に自身の経験を伝えるための講演活動を行っている。「緊張でずっと足が震えながらしゃべってます。しゃべるのは苦手ですけど、何か一つでも伝われば。人を助けたい気持ちが強いので力になりたい」。一昨年の夏、脳から転移した脊髄腫瘍で2度目の闘病生活を送り目と足には今も後遺症がある。「そこを治したい気持ちが一番強い。体は元気で、すごく良い状態ですけどまだ元の体に戻ってない。一日でも早く前の自分の体を取り戻したい気持ち」。“全力疾走”は現役時代と変わらない。

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