楽天ドラ5・松井友「日陰」からプロへ“遅咲き”証明だ!

[ 2022年1月21日 05:30 ]

楽天ドラフト5位・松井友飛投手(撮影・篠原岳夫)
Photo By スポニチ

 【22年度球界新士録(6)】「雑草魂」という言葉がぴったりだ。20日、キャンプ1軍スタートが決まった楽天ドラフト5位の松井友は、これまでの野球人生を「ピラミッドの下の日陰で野球をやってきた」と振り返る。決して自虐ではない。過去は過去として、ここからはい上がってやろうという強い決意が込められている。

 小3から地元の学童チームで野球を始めた。穴水中の軟式野球部では外野手だったが、穴水高1年夏に投手転向。長身右腕として最速139キロを計測も、公式戦で1勝もできずに終わった。

 「野球をやめて、国立大学を目指そうと思っていて。当時の夢はゲームプログラマー。大学で理系の勉強をするつもりでした」

 「最後の夏」も初戦敗退。公立校の無名の球児は野球に区切りをつけるつもりだったが、甲子園のテレビ中継を見て心変わりした。「まだ野球をやりきってない」。同学年で卒業後に野球を続けたのは松井友だけだった。

 地元の金沢学院大では2年生から主戦を務め、高校時代に味わえなかった「勝つ喜び」を知ってから急成長を遂げた。2年秋に出場した明治神宮大会が転機になった。「レベルの高い選手たちの目がギラギラしていた。このままじゃダメ。自分も変わらないと」。筋力トレーニングと走り込みで徹底的に体を鍛え上げ、4年生になると最速154キロのプロ注目右腕になった。

 同じ99年度生まれでは、ヤクルト・村上や日本ハム・清宮、ロッテ・安田、広島・中村奨が「高卒ドラ1」でプロ入り。「同学年とは思えないぐらい雲の上の存在だったけど、同じ舞台にたどり着いた。高校時代に活躍していた選手を見返してやりたい。対戦が楽しみです」。成長曲線は人それぞれ。少しだけ“遅咲き”だったことをプロの世界で証明してみせる。(重光 晋太郎)

 ◇松井 友飛(まつい・ともたか)1999年(平11)10月11日生まれ、石川県出身の22歳。穴水高では2年夏からエースも公式戦は全ての大会で初戦敗退。金沢学院大2年秋の明治神宮大会は2回戦で関大に敗れる。変化球はカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、フォーク。憧れの投手はダルビッシュ有(パドレス)。趣味はサウナ。1メートル90、86キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2022年1月21日のニュース