オリックス劇場“休演” ヤクルトに43年ぶり屈辱の完封負け 中嶋監督「そんな簡単に終わるわけはない」

[ 2021年11月22日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2021第2戦   オリックス0-2ヤクルト ( 2021年11月21日    京セラD )

<日本S オ・ヤ(2)>9回、先頭の吉田正が遊直に倒れ中嶋監督(左)はベンチで厳しい表情(撮影・大森 寛明)
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 「SMBC日本シリーズ2021」の第2戦が21日にあり、オリックスはヤクルトに0―2で敗れ、1勝1敗となった。5回まで毎回安打で好機を築いたが決定打が出ず、6回以降は無安打に封じられヤクルト・高橋に完封を許した。チームが同シリーズで零敗を喫するのは78年ヤクルト第7戦以来、43年ぶり。18年第3戦から続いたパ・リーグ球団の連勝も13で止まった。第3戦は23日に東京ドームで行われる。

 設定はミラクル劇に沸いた前夜と同じだった。2点差で9回。1万7075人の観衆は連夜の歓喜を期待したが、結果は違った。第1戦でサヨナラ打を放った吉田正が遊直に倒れると、杉本は右飛。代打ジョーンズは高橋の前に空振り三振に終わり、あっけなく敗戦が決まった。日本シリーズで零敗を喫するのは、阪急時代の78年ヤクルトとの第7戦で松岡弘に完封されて以来。三塁を踏めない43年ぶりの屈辱に、中嶋監督も唇をかんだ。

 「もっと荒れ球だと思っていたけど、そこまで荒れていなかった。球も強いし、非常にいい投手。先に点を取れていたら、全然違う展開になっていたと思うけど…」

 前半の逸機が結果的には大きく響いた。初回1死から宗が中前打で出塁も2死後、杉本の打席でけん制でつりだされアウト(記録は盗塁死)。2回は先頭の杉本が左前打したが、続くラベロが遊ゴロ併殺に倒れるなど3人で終わった。3、5回はともに2死ながら得点圏に走者を置いたものの、いずれも福田が凡退し1点が遠かった。宮城が5回まで完全投球する中で先制点を奪えず、6回以降は無安打に封じられる、何とも皮肉的な試合展開。4打数無安打に封じられた吉田正も「真っすぐに勢いがあって、いい投手。いいカウントで攻められた」と相手左腕に脱帽するしかなかった。

 零敗を喫したが、悲観する必要はない。対戦成績が1勝1敗と五分になっただけで、23日から東京ドームで仕切り直すだけの話だ。中嶋監督も「そんな簡単に終わるわけはない。それが日本シリーズ。野手陣はやり返してほしい。何とか一つ取りにいきます」と第3戦の必勝を誓えば、DHがなくなり、守備に就くことが求められる吉田正も「そんな簡単に勝てないと思っていました。1勝1敗になったので、先手先手で」と呼応した。96年以来、25年ぶりの日本一に向け“ゼロからの出発”。初心に戻り、粘り強い野球を再び展開するだけだ。(湯澤 涼)

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