オリックス・宮城 痛恨1失点も投球フォーム改造が奏功 5回まで完全ペース 次回は奥川と対決か

[ 2021年11月22日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2021第2戦   オリックス0-2ヤクルト ( 2021年11月21日    京セラD )

<日本S オ・ヤ(2)>立ち上がりから力強いピッチングを披露するオリックス先発の宮城(撮影・北條 貴史)
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 残る力を振り絞った112球目だった。8回2死一、二塁。オリックス・宮城は狙って投げ込んだ内角144キロで青木のバットを確かに押し込んだ。詰まらせた打球は無情にも中前へ。先制を許し、マウンドを降りた。

 「全体的にいいバランスで投げられた。粘りきれずに打たれたところが悔しい」

 レギュラーシーズン最終登板だった10月21日の西武戦以来の登板。中嶋監督ですら「丸々、1カ月空いて心配した」という不安要素をみじんも感じさせなかった。実戦調整した16日の紅白戦と同様に2段モーションを封印し、無走者でもセットポジションで通した。大改造への適応力には2年目20歳とは思えない凄みがあった。

 速球に多彩な変化球。緩急でも翻弄(ほんろう)した。5回は前夜本塁打した村上のバットを折って二ゴロ。6回1死までは完全投球だった。西浦に初安打されても「すぐに切り替えて」と後続の1死一、二塁を一度は切り抜けた。8回1死で初めて与えた四球が失点につながり「青木さんより前の打者…」と悔いた。

 同じ左腕の高橋と投げ合い、被安打5は同じ。わずかの差で黒星が付き、日本シリーズ初登板を終えた。「テレビで見るよりも緊張。(歓声など)いろんな声がすごく力になったのかな…と感じた」。順番通りなら次は第7戦か。ヤクルトも同期の奥川が先発する可能性を残す。「修正できる部分はある。次にあるとしたら、できる部分をもっと増やして、もっといいピッチングをしたい」。うつむかず前を向いた。先輩たちを信じ、雪辱の機会到来に備えるために。

 ○…20歳2カ月の宮城(オ)が6回1死まで走者を一人も許さない快投。日本シリーズで先発5回以上を無走者は07年日本ハム第5戦の山井(中)の8回を筆頭に史上8人目。左腕では宮城が初めて。20歳での達成は14年阪神第2戦の武田(ソ=5回2/3)の21歳を抜く最年少。敗戦投手となったのは79年近鉄第2戦の山根(広=5回)に次ぎ42年ぶり2人目。

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2021年11月22日のニュース