【スポニチ本紙評論家が占う日本シリーズ】10人中7人「オリックス有利」絶対的エース由伸の安心感

[ 2021年11月19日 05:30 ]

絶対的エースのオリックス・山本
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 激闘必至の日本シリーズ。勝負の行方をスポニチ評論家陣が占った。10人のうち7人がオリックスの日本一を予想。レギュラーシーズンで18勝を挙げたエース・山本が最大の武器との声が多数を占めた。レギュラーシーズンの9回打ち切りとは違い延長12回制で、継投策が鍵を握るとの指摘もあった。

 ≪東尾修氏 選手の良さ引き出す中嶋采配に注目≫ともにCSでは無敗。チームの一体感を感じる。勢いも互角とすれば、山本という必殺のカードを備えるオリックスに分があるか。山本は全部の球種でカウントを取れるし、かつ勝負球にもなる。精度も高く、これだけの投手はそうそう出てこないだろう。初戦でヤクルト打線を圧倒すれば一気に流れが来る。本拠・京セラドームでスタートすることも地の利があり、有利だ。

 中嶋監督の采配にも注目したい。97年オフ、私が西武監督の時に彼をFAで獲得した。強肩が最大の武器だったが、投手の思いをくみ取って気持ち良く投げさせるリードも光った。会話などのコミュニケーション能力も高く、投手陣からの評判も良かった。4番抜てきの杉本もそうだし、監督になっても若い選手の良さをうまく引き出しているように感じる。采配は基本的にオーソドックスではあるが、CSでは勝負どころでバスターも見せた。大舞台でどんなタクトを振るか楽しみだ。

 先発の駒は山本を含めてオリックスの方が上とみる。一方のヤクルトは1番・塩見から青木、山田、村上と続く上位打線が強力。この攻防もシリーズの行方を左右すると思う。

 ≪牛島和彦氏 継投のタイミングが鍵≫非常に予想が難しい。両チームの戦力は互角とみる。その中で差となるのが山本の存在。絶対的なエースで2勝できればオリックスが有利になるだろう。

 初戦は奥川との投げ合いか。ともにCSで完封勝利。山本が力でねじ伏せるのに対し、奥川は打たせて取るのがうまい。ボール球も使って打ち取る投球術は20歳とは思えない。短期決戦。初戦でオリックスの打者のタイミングを「ずらす」ことができれば、その後の試合も優位に進められる可能性がある。ヤクルトは日本一のためには、いずれにしても山本の登板試合で勝利を挙げることが必須だ。

 打線は両チームとも上位、中軸、下位とバランスもいい。ともに1番打者が起点。オリックスは福田の粘りが打線を象徴している。一方のヤクルトは足も使える塩見がCSでも好調。中軸は吉田正、杉本に対して山田、村上とこちらも互角だ。

 日本シリーズはコロナ下で9回打ち切りだったレギュラーシーズンとは違って、延長12回制。9回から逆算しての早めの継投ができないため、先発投手がより長いイニングを投げられる方が有利になる。両軍ともにリリーフ陣の駒はそろっている。継投のタイミングも鍵となるだろう。

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