広島早くも2人目新助っ人 右の長距離砲マクブルーム内野手獲得 今季3Aで32発男が得点力不足救う

[ 2021年11月6日 05:30 ]

広島が獲得を発表したライアン・マクブルーム(ゲッティ=共同)
Photo By ゲッティ=共同

 広島は5日、来季の新外国人としてライアン・マクブルーム内野手(29=ロイヤルズ)と契約合意に達したと発表した。契約金30万ドル(約3420万円)、推定年俸70万ドル(約7980万円)プラス出来高払いで、背番号は未定。4日発表のアンダーソンに続き、早くも2人目の新助っ人となった。今季3Aで32本塁打を放った長距離砲には、得点力不足解消のキーマンとしての役割が期待される。

 今季の低迷は、38本塁打を放った鈴木誠に続く大砲の不在が一因と言えた。チーム打率こそリーグトップながら、得点、打点はともに同3位。打線に一発を秘めた助っ人砲が加われば、得点力は飛躍的に伸びるはずだ。

 そこで補強ポイントに合致する待望の長距離砲を獲得した。契約合意が発表されたマクブルームはメジャー通算6本塁打ながら今季3Aで32発を量産。マイナー通算812試合で134発を放っている、まさしく大砲だ。球団を通じて「日本という素晴らしい国でプレーできる機会を与えられたことに、とても興奮しています。広島のファンの方に優勝を届けるためにプレーすることを待ち遠しく思っています」と意気込みを語った。

 今季加入したクロンは4番候補として期待されながら、打率・231、6本塁打と低迷し、6月中旬の降格から1軍に戻ってくることはなかった。今季のチーム本塁打数はリーグ4位の123本。このうち、外国人の本塁打数は計6本(クロン6、メヒア0)とリーグワーストで、同5位の中日19本塁打からも大きく引き離された。それだけに、新助っ人への期待は、おのずと高まる。

 マクブルームは長距離砲ながら左足の上げ幅が小さく、鋭くコンパクトに振り抜く。クロンが徹底した内角攻めに苦しんだのに対して、同様の心配がなさそうなのは大きい。松田元オーナーも「チャンスに強そう。極端なアッパースイングではない。内角も結構さばけるし、これなら大丈夫ではないかと思った」と太鼓判を押した。弱点を狙う執拗(しつよう)な配球に対応できれば、持ち前の長打力を発揮できる可能性も高まるはずだ。

 今季リーグ制覇したヤクルトでは山田、村上らの中軸をオスナ、サンタナの新助っ人コンビが支えた。広島では鈴木誠の来季の去就は未定ながら、いずれにせよ新たな大砲の力が必要なことには変わりない。マクブルーム次第で、来季の赤ヘル打線の迫力は大きく変わると言える。(河合 洋介)

 ◇ライアン・マクブルーム 1992年4月9日、米バージニア州出身の29歳。2013年にロイヤルズからドラフト36巡目で指名されるも契約せず、翌14年にブルージェイズから同15巡目で指名を受けて入団。17年にヤンキース、19年にはロイヤルズに移籍して、19年にメジャーデビュー。メジャー通算66試合で打率・268、6本塁打、16打点。1メートル90、99キロ、左投げ右打ち。

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