金本知憲氏 梅野腐るな!!出番は必ず来る 奪い返すチャンスに備えてほしい

[ 2021年10月26日 05:30 ]

<阪神練習>トレーニングを行う梅野(撮影・成瀬 徹)
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 【金本知憲 虎への金言】ヤクルトが調子を落としているとはいえ、厳しい状況から残り1試合で優勝の可能性を残すところまでよく持ってきたと思う。最近10試合は坂本が先発マスクをかぶって6勝3分けで、1敗しかしていない。チーム内の事情は分からないし、リードに関しても何が正しくて何が間違いか…の判断は非常に難しい。ただ、ベンチとしては結果を出している選手を使うのは当然だ。競争の上にレギュラーがある。

 坂本はもともとスイングに思い切りの良さがあり、監督時代の編成会議でも「周りが思っているほどバッティングは悪くない」と言った覚えがある。振る力もついてきた。振る力が上がるということは、狙った直球を打てる確率が上がるということ。右方向へ打てる技術もあったから、しぶとい打撃もできる。

 もちろん、梅野は悔しいと思う。これだけ試合に出られないのは近年ではなかったこと。しかも、優勝を争う最終盤。複雑な気持ちはよく分かる。腐りたいかもしれないが、腐ってはいけない。どう準備できるか。出番は必ず来る…と信じ、奪い返すチャンスに備えてほしい。ベンチで他の捕手のリードを見る機会はいままで少なかったはず。新しい発見があるかもしれない。前向きに、いまできることをやってほしい。

 板山や島田の頑張りも光る。板山は入ってきたときからスイングの形は良かった。実戦向きではなく、試合になると、なかなか結果が出なかった。時間はかかったが、2軍で経験を積んできた成果が出てきた。島田も振り幅の大きいキレイなスイングをしていて、俊足だからといって小さくなることはないと見ていた。勝つときは、新しく出た選手が活躍するもの。もちろん、平田2軍監督の“手腕”も忘れてはいけない。

 サンズの調子が落ちたところで、ロハスがいたのも大きい。昨年に続いて外国人選手を8人そろえたことが効いた。振り返れば、スアレスも昨春キャンプの時点では外国人選手の中で優先順位は低い方だった。いまではブルペンに欠かせない存在。1年間は長く、不調や故障は必ずある。余らせる覚悟で戦力を整えた編成の取り組みもあって選手層が厚くなった。

 残り1試合。勝ちきって、ヤクルトの結果を待つことしかできない。結果は神のみぞ知る。それしかない。

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