栗山監督「“ほな、さいなら”って笑ってみんなの前から去るのが一番だろ」 26日西武戦で本拠ラスト采配

[ 2021年10月26日 05:30 ]

日本ハム・栗山監督
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 今季限りで勇退する日本ハム・栗山英樹監督(60)が、26日の西武戦(札幌ドーム)で本拠ラスト采配に臨む。12年の監督就任から10年目。レギュラーシーズン通算1408試合目、札幌ドーム584試合目となる一戦はエース上沢直之投手(27)が先発する。3年連続Bクラスが決定したため、今季を終了する選択肢もあった中で先発を志願し、同じ12年に入団した指揮官の花道を飾る。

 栗山ファイターズとして戦う、最後の札幌ドームでの一戦。栗山監督は「俺の個人的なものはどうでもいい」と話すにとどめた一方で、多くの勝利を届けられなかった北海道のファンに対する思いが口をついて出た。

 「本当に申し訳ないなと思っている。ここ数年…特にコロナの影響で皆さんが苦しんでいる中、少しは笑ったり元気になったり、喜んだりというのをお届けする責任があった。でも、それができなかったことに関しては責任を感じている。それが全てかな」

 今季敵地では28勝32敗10分けの借金4に対し、札幌ドームでは19勝28敗10分けの借金9だった。就任1年目の12年はリーグ優勝、16年は日本一に輝くなど北の大地を沸かせてきた功績は大きいが、勝ち続けられなかったことをわびた。

 だからこそ、最後は必ず白星で締めくくりたい。その思いは上沢も同じだ。開幕投手を務めた今季はフル回転してキャリアハイの12勝。体を心配する指揮官からは「もう投げなくてもいいでしょ」とシャットダウンを提案されたが、「もう一回、投げて終わりたいという気持ちがあった」と登板を志願した。「(栗山監督が)北海道のファンの人たちの前で指揮を執られるのは最後なので、みんなが笑って気持ち良く送り出せるような状況にしたい」。負ければ最下位が確定する一戦での快投を誓った。

 栗山監督は、選手に対しては16日のオリックス戦前に別れのあいさつを済ませたことを明かした。中堅付近にナインを集め「本当はもっと勝たせてあげなきゃいけなかった。何とかしようと思って必死になって考えて一生懸命やってきた。何とかしようとしたけど、ごめんな」と伝えたという。この時は目に涙を浮かべて話したが、この先は湿っぽくしない考え。「“ほな、さいなら”って笑ってみんなの前から去るのが一番だろ」と穏やかな表情で話した。

 「親分」こと大沢啓二氏を上回る球団最多681勝を積み重ねてきた。うち札幌ドームでは310勝。生活拠点まで移した愛する北海道での、最後の白星を狙う。(東尾 洋樹)

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2021年10月26日のニュース