オリックス田嶋 読書でメンタルケア 野球に集中できる環境作りがプラスに

[ 2021年10月14日 08:00 ]

12日のロッテ戦で8回2失点の好投を見せたオリックス・田嶋 (撮影・後藤 大輝)
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 オリックスの4年目左腕・田嶋大樹投手(25)が、着実に成長曲線を描いている。

 ロッテとの首位攻防3連戦の先陣を託された12日の一戦で8回2失点。「8回まで長いイニングを投げることができたし何とか最少失点で粘れたところは収穫だと思います」。

 昨季は20試合でプロ初完投初完封を含む4勝6敗、防御率4・05。3年目で初の規定投球回に到達し、チームで唯一先発ローテーションを守り抜いた。更なる飛躍が期待された今季も自己最多7勝をマークするなど、先発ローテに欠かせない存在の1人となった。

 要因の一つが「メンタルケア」として続けている読書。「野球だけの世界を見ていると息苦しくなりますし。いろんなジャンルの世界を見て、心を落ち着かせています」。最近ハマっているジャンルは、ミニマリズム(最小限主義)。「物を減らして集中するというもので、それ系の本を結構よみましたね、最近は。その本を読んでから、ほぼ部屋の物は捨てました。テレビもベッドもソファもあるけど、余計な物は捨てた。洋服も最低限しか残っていないですね」。日々の生活から見つめ直し、野球に集中できる環境作りがプラスに働いているという。

 1年目の18年。将来の左腕エース誕生を予感させる衝撃のデビューだった。150キロ超を連発する直球、右打者の膝元を突くクロスファイアは強烈で、いきなり開幕ローテーション入り。球団新人で初登板初勝利は、89年酒井以来12人目、開幕カードでの先発勝利は阪急時代の54年梶本、国頭以来64年ぶりの快挙だった。快進撃は続き、6月中旬までの短期間で6勝を記録し新人王有力と騒がれた。しかし、直後に左肘痛を発症し離脱。電気治療などで回復を目指す一方で、患部の負担を減らす投球フォームを模索するなど試行錯誤を繰り返した。1軍復帰まで1年もかかったが、この悩み抜いた時間が、左腕を一層たくましくしたと感じる。

 絶対エースの山本に、大ブレークした宮城、右肘手術からの復帰を期す山岡もいる。11日のドラフトでは東北福祉大・椋木を単独1位指名し、先発でも救援でも適性が見込める最速154キロ右腕が加入する。充実の投手陣が来季も「強いオリックス」を予感させる。(記者コラム・湯澤 涼)

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2021年10月14日のニュース