阪神ドラ2・鈴木 目指すは「遥人・勇斗」コンビで虎の投手王国けん引 新人王にも意欲的

[ 2021年10月14日 05:30 ]

創価大学にあるブロンズ像を背にポーズをとる阪神ドラフト2位の鈴木勇斗(撮影・平嶋 理子)
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 阪神からドラフト2位指名された創価大の鈴木勇斗投手(21)が13日、都内で指名あいさつを受けた。最速152キロを誇り即戦力として期待される左腕は、1年目の目標に新人王を掲げ、高校時代に面識がある高橋遥人投手(25)への弟子入りも志願。「遥人・勇斗」の左腕コンビで虎の投手王国をけん引する野望を口にした。

 学生服をまとっていても、締まった上半身と鍛え上げた太股が21歳左腕のポテンシャルを見事に表現していた。プロへの扉に手をかける鈴木は、早くも1年目のホップ、ステップからの“最高到達点”を見据えた。

 「新人王というのは限られた年数の時しか獲れない。まずはプロ初勝利を目標に、最終的に新人王を獲れれば」

 西武1位指名の隅田ら他球団の有望左腕にも闘志を燃やす。今春はリーグ戦途中に部内で新型コロナ感染者が出て辞退した経緯もあり「同じ左投手が活躍しているのを見て悔しい思いはあった。プロに行ってから同じ左投手に負けないように」と宣言。球団の左投手では初となる新人王へ、進化を期す上で先輩左腕への弟子入りも志願した。

 「憧れの選手であり、同じ球団に入れたことはうれしい。学んでいきながら、いずれは遥人さんと同じように先発で、チームに貢献できるように」。鈴木が鹿屋中央3年時に亜大の練習見学に行った際、当時4年だった高橋と言葉を交わした。「“目標にしていることは諦めずに頑張ればかなう”という言葉をいただいた。すごい優しい方」。ツーシームも持ち球だけに、再会の暁には「ぜひ、ツーシームを。どうやったらもっと強い真っすぐ、変化球を投げられるか聞きたい」と高橋の宝刀の極意をしっかりと拝聴するつもりだ。

 フォームに悩んでいた昨秋のリーグ戦登板前日に、たまたま目にしたカーショー(ドジャース)の動画に気づきを得て、独特の2段フォームをまねて投球。「リズムもうまくはまって、球速、コントロールにつながっている」といい“創カーショー”と呼ばれるまで完全習得した。築き上げてきたものに遥人先輩の助言もミックスさせて、大成を目指す。

 「強い真っすぐと、気持ちで負けずに攻めていくスタイルが強み。プロでも変えずに頑張っていきたい」。「ハルト・ユウト」は、猛虎黄金時代到来の合言葉になる。 (遠藤 礼)

 《座右の銘は黒田博樹氏と同じ》鈴木は、座右の銘に「耐雪梅花麗」(ゆきにたえてばいかうるわし)を挙げた。幕末から明治時代前期に活躍した西郷隆盛がよんだ漢詩の一節で、高校時代に目にしたという。“春に麗しく咲く梅の花にも雪に耐えた冬の時期がある”という意味が込められており、元広島の黒田博樹氏も座右の銘にしている。西郷と同じ鹿児島出身の左腕は「薩摩の人間なので、すごい方というのは知っている。自分が苦しんでいる時に出合った言葉」と明かした。

 ◇鈴木 勇斗(すずき・ゆうと)2000年(平12)3月17日生まれ、鹿児島県日置市出身の21歳。吉利小4年から野球を始める。日吉中では「串木野黒潮」に所属。鹿屋中央では2年秋からエースで3年夏は準決勝で敗退し甲子園出場なし。創価大では2年春からリーグ戦に登板し通算20試合で10勝2敗。3年秋は最優秀選手、最多勝、ベストナインの3冠。50メートル走6秒5、遠投100メートル。1メートル74、83キロ。左投げ左打ち。

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