日本ハム1位・天理の達 夢はメジャーへ大志 ダル目標1メートル94右腕「スケールの大きい投手に」

[ 2021年10月12日 05:30 ]

プロ野球ドラフト会議 ( 2021年10月11日 )

日本ハムから1位指名を受け、チームの応援タオルを手に高みを見据える達(撮影・中村 与志隆)
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 日本ハムは天理・達孝太投手(17)を1位で単独指名した。1メートル94の長身に計り知れない可能性を秘めた右腕。会見では尊敬するパドレス・ダルビッシュ有投手(35)を目標に、将来のメジャー挑戦への意欲を示した。ダルビッシュやエンゼルス・大谷翔平投手(27)を育てた理想に最も近い球団で夢に突き進む。

 1位指名に「驚きました。良くても2位くらいと思っていた」と語ったが、その瞬間、表情は変えなかった。学校の会議室で父・等さん(45)、母・るみさん(45)とともに見届けた運命の日だが、気持ちはすぐに切り替えた。投手としての勝負はこれからだと知っていた。

 「周りを気にせず、しっかりと自分ができることをやって、スケールの大きい投手になりたい。周りには興味がないです。それがいい面でもあり、悪い面でもあるけど、気にせずにやりたい」
 ダルビッシュも在籍した球団。投手としての姿勢や投球理論など、常に動画や発言に注目してきた。「特にボールの操り方、力強い球を投げることに魅力がある。その後を追いかけられるような投手になりたい」と同じユニホームを着ることに胸を躍らせた。

 目指す高みがあるから、気持ちにはブレがない。小園や森木らドラフト同期の高校生への興味は薄い。プロで対戦したい打者も「全くいないです。打者どうこうより、自分がしっかりした球を投げることが第一」と言い切り、数字的な目標についても「1年目からローテとか言うと、焦ってケガをしたり、精神的にもしんどくなる。目標を立てずにやるべきことをひとつずつやるのが自分のスタイル」と“達ビッシュ流”を宣言した。

 思ったことははっきり口に出す分、進歩への意欲は強い。「調子がいいときと悪いときのデータを比較し、再現性を高めている」と投球の回転数などを測定・分析できる機器「ラプソード」を自ら購入。夏の甲子園を逃した後もトレーニングを続け、9月に自己最速の149キロをマーク。身長も1メートル94に伸びた。栄養学、人体の解剖学などの知識吸収にも取り組む日々だ。

 「23年にできる新球場は映像も見て知っている。アメリカンチックで一番やりたいと思っていた球場。メジャーという夢のためにも、日本で活躍しないと次はない。経験を積んで、頑張って誰もが納得する結果を出す」
 体も夢も心も大きな右腕が、北海道とともに世界を見据えた。(鈴木 光)

 ≪栗山監督「世界で勝負ができる」≫単独1位指名に成功し、栗山監督は「本当に良かった。真っすぐでしっかり押し切れる。スケールとして日本のエースでもあるし、世界で勝負ができるくらい、成長の幅が物凄く大きい選手。5年後、10年後が本当に楽しみ」と口にした。新球場の顔としても期待が高く、「エースじゃなくて大エースをつくる命題がある。世界中の人が(新球場に)彼の投球を見に来ることを信じています」。日本ハムから大リーグへ羽ばたいたエンゼルス・大谷と達の姿を重ねてか、指揮官の左手には大谷がイメージキャラクターを務めるSEIKO社製の大谷モデルの時計が身につけられていた。

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