広島・中村奨成 捕手と外野手の二刀流継続で1軍返り咲き意欲「両方できれば試合出る機会増える」

[ 2021年9月28日 05:30 ]

捕手と外野手の二刀流を継続する中村奨
Photo By スポニチ

 広島の2軍は、今季のウエスタン・リーグも3試合を残すのみとなった。中村奨成捕手(22)は8月下旬の降格後も捕手と外野手の二刀流を継続し、1軍の戦力になれる方法を模索している。高卒4年目は打力で一定の評価を得た一方、今季から挑戦する外野守備が発展途上とあって1軍に定着できなかった。将来的に捕手として出場するためにも、まずは出場機会を得るべく“奨成版の二刀流”を磨き続ける覚悟を明かした。 

 外野に挑戦したことで、中村奨の起用法は確かに広がった。ただし不慣れな守備位置では不安定さを隠し切れず、次第に代打や代走限定の出場が増えていったのも事実だった。「やっぱり外野で出させてもらっても守れなかった」。打撃好調時も先発機会が限られた悔しさを糧に、2軍でも本職の捕手と並行しつつ、外野練習に熱心に取り組んでいる。

 「最初は捕手一本にこだわっていたけど、力不足でポジションをつかめなかった。今年は、外野に挑戦したおかげで1軍に長くいられた。1軍の打席に立つことで打撃が良くなるプラス面もあった」

 外野に挑戦したのは春季キャンプを終えた今年3月からだった。ぶっつけ本番で今季を迎えるも、1軍で2失策を犯し、守備率・867は外野ではチームワースト。交流戦中には3、5番での先発も経験しながら、出場39試合で外野に就いたのは9度にとどまった。結局、首脳陣からの信頼を得るまでには至らず、8月下旬から2軍暮らしが続いている。

 降格後は、ウエスタン・リーグで先発した16試合のうち捕手7試合、外野9試合と、ほぼ均等に出場し続けている。「下に落ちるときに捕手も外野も両方とも頑張ってくれと言われた。両方できれば試合に出る機会も増えると思う」。捕手としてのプライドは2軍でもいったん押し殺し、1軍で出場することを最優先に励んでいる。

 チームとしても“二刀流”を継続する方針は今後も変わらない。高2軍監督は「捕手は誰もができるわけではない。簡単に手放すのはもったいない」と説明する。再昇格がなければ、10月に開催される「みやざきフェニックス・リーグ」でも、捕手と外野の両方で実戦経験を積む予定だ。

 悩ましいのは、打撃の状態が上向かないこと。8月下旬の降格後は、ウエスタン・リーグ打率・177(62打数11安打)と低調だ。

 「外野守備がうまくいっているのがせめてもの救い。外野をやりながら、捕手として出たときに“守れるやん!”と思ってもらえるのが一番理想的。そんなに、うまいことはいかないですけどね…」。外野を磨くことが、捕手への道にもつながっていると信じている。(河合 洋介)

続きを表示

この記事のフォト

2021年9月28日のニュース